調味料/調味料の選び方

胡椒の特徴と使い方……調味料で料理が変わる!

今回は、胡椒の特徴と使い方をご紹介いたします。実は胡椒は秘められた魅惑の、実力の持ち主で、その特徴を知ったら、今まで以上に使いたくなること、間違いなしです。是非、今日からその魅力の虜になってみて下さい。

青木 敦子

執筆者:青木 敦子

調味料ガイド

胡椒の種類

胡椒の特徴と使い方

胡椒の特徴と使い方

胡椒の種類には、黒胡椒、白胡椒、グリーンペッパー、ピンクペッパー、ロングペッパーなどがあります。

完熟前の緑色の実を果皮ごと乾燥させたものが黒胡椒、未熟な実を塩漬けまたは、短期間乾燥させた物がグリーンペッパー、赤色に完熟してから収穫後、乾燥させ、その後に水に漬けて外皮を柔らかくしてから、外皮を除いた物が白胡椒になります。

胡椒は、高い汎用性がある事から「スパイスの王様」とも呼ばれています。

「胡」はシルクロードのこと、「椒」は香辛料のことをさすので、
「シルクロードを経て、運ばれてきた香辛料」と名づけられたと言われています。
 

胡椒の歴史

胡椒は、3000年近く前から使われていて、古くから非常に存在価値の高い最も盛んに取り引きされていたスパイスでした。

古代ローマ時代には、香辛料の中では最も高価で、金や銀と同重量で交換されており、「天国の種子」と呼ばれ、胡椒の保有力は、権力と財力の証しとなっていたようです。

中世になってもその価値は下がらず、ドイツでは役人の給料として支払われていたり、税金の変わりに胡椒を納めるという光景もよく見うけられたといわれています。

日本には、奈良時代に遣唐使によって持ち込まれたのが最初で、それ以来かかせない調味料の一つとして今日常備できるようになったのでしょう。
 

調理のコツとおすすめの使い方

風味が飛びやすく、香りが逃げてしまうので出来れば粒のまま保存しておき、使う時に挽くようにすると胡椒本来の辛味や風味が長持ちします。

私のおすすめの使い方は、調理前と調理後の二度使い。
調理前に使用するのは、肉や魚の臭みを抑えるため。火をいれると香りや風味が飛んでしまうので、調理後にもう一度使用することによって胡椒の香りや風味を楽しむことが出来ます。

私は基本的には、お肉には黒胡椒、お魚には白胡椒を使っていますが、白胡椒に比べ、黒胡椒の方が刺激が強く、強い独特の風味がありますので、その特徴を楽しみたい時には、お魚料理にも黒胡椒を使ったりしています。

お醤油との相性も良いので、すき焼きや肉じゃがにたっぷりかけて食べるのもお勧めですし、乳製品との相性も良いので、シチューやグラタン、ピザなどにたっぷりかけて食べるのもお勧めです。
是非試してみて下さいね。
 

栄養成分

胡椒には、ビタミンB3,B6,E,Kなどのビタミンやカルシウム、鉄分、マグネシウム、カリウム、リン、亜鉛などのミネラルが含まれています。
また、ケシペロール、ミリセチンなども含まれています。

辛味成分であるピペリンは、血管を広げて、血行を良くして身体を温めるので冷え性の改善に役立ったり、消化機能を整えて、代謝機能をアップさせ、脂肪燃焼効果が期待できると言われています。

また、ピペリンには食品に含まれている栄養素の吸収を飛躍的に高める働きがあります。健胃作用があり、唾液の分泌や腸の蠕動運動を促す働きも期待できますので、魅惑の調味料と言っても過言ではありません。

香りや刺激を感じて、今まで以上に胡椒のとりこになって、胡椒の底力を感じてみてください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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