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日本の馬はなぜ凱旋門賞を勝てないのか?(3ページ目)

競馬ファンのみならず、日本中の期待を背負って凱旋門賞に出走した日本の最強馬3頭が惨敗を喫した。これまで2年続けてオルフェーヴルが2着に健闘していただけに、今年こそはと期待されたが、結果は勝ち馬の影さえ踏めぬ大敗だった。ドバイのG1では何頭もの日本馬が優勝しているが、なぜ凱旋門賞は勝てないのか。その鍵はフランス競馬の正体にある。

松井 政就

執筆者:松井 政就

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日本の競馬はいわば「100m走」

端的に言えば、日本の競馬は100m競走のような「短距離走」の要素を持っている。距離の違いにより、レース中の力配分などは行われるとしても、基本的にスピード争いのレースといえる。

フランスの競馬は駆け引きのゲーム

一方、フランスの競馬はスピードとスタミナだけでは勝つことはできない。なぜならフランスの競馬は「駆け引きのゲーム」だからだ。

「ラビット」と名付けられたペースメーカー専門の馬の存在が許されることもその一つの現れと言ってよい。

ラビットとは兎のことで、逃げる兎を馬が追いかけるのを意味するが、その目的は、主として、同じ馬主または同じ厩舎が出走させている別の有力馬に有利なレース展開にすることだ。

つまり、全ての馬がガチンコで勝負するのではなく、特定の馬を勝たせるための共同作戦が存在するのがフランス競馬なのだ。

フランスの競馬はいわば「サッカー」

その点で、フランスの競馬は、競走というよりもサッカーに近いと言えるのかもしれない。

サッカーはどちらが多く点を取るかを競うゲームだ。走るスピードやスタミナで勝ち負けが決まるのではない。どんなスピードで相手ゴール前に上がっても、シュートが決まらなければ何の意味もない。

つまりサッカーで勝つには状況に合わせた「駆け引き」が要求されるが、フランス競馬で勝負を左右するのもまさにその駆け引きなのである。

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