文章:鳥羽 賢(All About「世界のニュース・トレンド」旧ガイド)
前回の記事でお話したように、ジンバブエでは年率220万%もの超
インフレが起こっています。今回は、このようなインフレがなぜ起こるのか検証してみましょう。
【CONTENTS】
マネーサプライの増加で通貨の価値が暴落(1P目)稚拙な経済政策で極端な製品不足に(1P目)農地の強制収用で農業生産性が低下(2P目)株式の強制譲渡で外資系企業が逃避(2P目)製品を強制的に安く売らせたら……?(3P目)デノミ実施、果たして効果は?(3P目)マネーサプライの増加で通貨の価値が暴落
インフレが起こる原因はいろいろありますが、ジンバブエの場合は複数の原因が同時に、それも大規模に起こっているために、現在のような超インフレになっていると思われます。
一般的にインフレを起こす要因として、
マネーサプライの増加があります。マネーサプライとは通貨の供給量で、これが増えると、国内に流通している通貨量が増えたことを意味します。
ここで1つ例を挙げてみましょう。ある国に、1兆円分の通貨と1億個の製品が流通していたとします。それが1年後に10兆円に増えて、その国の製品の量は変わらなかったとします。最初は1個あたり1万円だった製品が、単純に通貨量が10倍に増えたら、値段が10倍の10万円になります。これが、マネーサプライの増加による価格上昇、つまりインフレのメカニズムです。
<マネーサプライの増加による物価上昇の仕組み> |
| ある国に1億個の製品と1兆円の通貨が流通していると、単純に割れば1個あたりの価格は1万円になる。1年後に通貨量が10倍に増えれば、1個あたりの価格は10万円になる。 |
ジンバブエはここ2~3年、労働者からの賃上げ要求に対応したり、選挙費用を捻出するために、通貨のジンバブエドルを無節操に発行してきました。そのために、物価が極端に上昇したことになります。
稚拙な経済政策で極端な製品不足に
インフレが起こるもう1つの要因として、国内に出回る製品の数が不足することがあります。これは、通貨の過剰供給とは反対の意味を持ちます。前項の例で言うなら、通貨量が1年後に1兆円で変わらなくても、製品が1000万個に経れば、結局製品1つあたりの値段は10万円に上がることになります。
ジンバブエが物不足に陥っている原因は、長年繰り返されてきた、ムガベ政権の稚拙な経済政策にあります。
→次ページ。ではジンバブエをインフレに追い込んだ具体的な経済政策とは?