乳児育児/トイレトレーニング

2歳の夏にこだわらないトイレトレーニングのすすめ(3ページ目)

「2歳の夏」はトイレトレーニング開始のチャンス。しかし、「2歳」や「夏」にとらわれすぎず、トレーニング(訓練、練習)という意識を持ちすぎないことが、結果的に時期の差はあれ、親子とも気持ちよい自然な習慣づけにつながることもあります。

執筆者:千葉 美奈子

 

逆にこんな時は思い切って先延ばし、中断も

トイレトレーニングに適しているといわれる2歳代は、イヤイヤ期真っ盛りに突入していく子も多いでしょう。下の子の誕生による環境の大変化、赤ちゃん返りなどを経験するお子さんもいるかもしれません。1度トイレに興味を持ったり自分から教えてくれるようになったりした子が、そういったそぶりを一切見せてくれなくなることもあります。トイレトレーニング、イヤイヤ期、下の子誕生、赤ちゃん返りなどは、それぞれが親にとっても子育ての中での大きな山場……。4~5歳の子でも、下の子の誕生や引っ越しなどの大きな環境変化が、排泄という部分に現れておもらしが増えてしまうケースもあるのです。親子とも、1度に大きな課題を複数抱え込むよりも、環境の落ち着きを少しずつ親子で実感しながら、意思の疎通がスムーズに取れるようになってきたころに、始めたり再開することをおすすめします。

 

気長にいこう、トイレトレーニング

トイレトレーニングで一番避けたいのは、うまくできない→怒られる→トイレがいやだという、「トイレ→つらい体験」の連鎖です。

大人でさえも緊張するとトイレが近くなったり、おなかが痛くなったりすることがあるように、排泄は人間にとって非常にデリケートな領域です。幼稚園入園時にまだ完全にオムツがはずれていない子もいますし、小学1年生でも入学後しばらくの緊張感から、教室でおもらしをしてしまう子も決して珍しくありません。「夜尿症」という診断結果までにはならないながらも、小学校中学年になっても夜中のおもらしが完全になくならないもケースも。幼児期や小学校低学年の頃のトイレに間に合わなかったなどの苦い体験は、時に大人になっても残り続けることがあります。いずれ笑い話として振り返ることができる人もいれば、その体験だけはいつまでも忘れられないという場合もあります。

小さな子どものオムツはいつかはずれますし、園や学校でのおもらしはほどなくなくなっていきます。2歳前後は、おしゃべりが活発になり始めたばかりの頃で、排泄の習慣づけを親子で気長に築いていくスタート地点にすぎません。お子さんの心身の状態を肌で感じているのは、やはり、日々お世話をしている立場の人。オムツやトイレに関する「まだ?」「そろそろ」などの言葉にはあまり敏感にならずに、お子さんのペースを大事にしてあげましょう。
 

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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