「あんころもち」と「塩アイス」
作られるのは1日数回。タイミングが合えばぜひ注文したい「あんころもち」。粳米を加えて炊いた餅米は粒を残してふっくらと握られ、潰し餡は小豆の風味がしっかり。甘さを抑えて塩を効かせた餡のためか、懐かしさの中にもモダンを感じます。
塩を効かせたミルキーな「塩アイス」は、すっきりとした後味で、本家「くろぎ」でも人気です。きな粉や黒蜜の風味を重ねることで、より優しくまろやかな味わいになります。
季節の「上生菓子」
お茶席等で目にする「上生菓子」は、一般的に濃茶が美味しく味わえるよう、風味や主張を控えたものが多いもの。一方で、コーヒーがお供の「廚 菓子 くろぎ」の上生菓子は、きな粉餡や胡麻餡、大麦の餡や抹茶餡など、通常お茶席ではあまり見ない素材が使われユニークです。
中でも料理人の方ならではの発想だと感じたのは、6種類のうち3種類に添えられた塩。黒胡麻餡を包んだ煎り胡麻煉切「くろぎの胡麻」には胡麻塩が、麦焦がし餡を包んだ煉切「くろぎの麦秋」には塩を混ぜた大麦粉が、抹茶餡の煉切「雨の華」には抹茶塩が添えられています。
甘さが抑えられている分、塩が効果を発揮し目から鱗の味わいです。
このほか、注文を受けてから作る吉野葛100%の「葛切り」や持ち帰り用の割烹「くろぎ」のお弁当(前々日までの予約限定。4000円(税込))もお見逃しなく!
職人の手仕事
店名の「廚」には「職人の手仕事」を伝えるという気持ちが込められているのだそう。伝統的な日本の食文化がユネスコ無形文化遺産に登録され、和食の料理人が注目を集めている今、和菓子職人ももっと評価されるべきだと黒木さん。店舗を全面ガラス張りにし、職人さんが和菓子を作る姿も楽しめるようになっています。それはまた、その場で作った出来立てを、最高のタイミングで食べてもらうという「ライブ感」を表現する場でもあります。様々な分野の国内外の学生や研究者が行き交う東京大学の構内に開いた「廚 菓子 くろぎ」。飲み物はコーヒーのほかに日替わりの「グラスシャンパン」や「八海山泉ビール」などの用意もあり、大人の社交場・新しい和菓子文化の発信地として目が離せない存在になりそうです。
■ 「廚 菓子 くろぎ」
所在地:東京都文京区本郷7-3-1
国立大学法人 東京大学 本郷キャンパス春日門側
ダイワユビキタス学術研究館1階
東京メトロ丸ノ内線「本郷3丁目」駅より徒歩5分
都営大江戸線「本郷3丁目」駅より徒歩3分
電話: 03-5802-5577
営業時間:9:00~19:00
定休日:不定休
地図:「廚 菓子 くろぎ」
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