大学生の奨学金/奨学金の基礎知識・トレンド

入学時特別増額貸与奨学金と一種と二種の併用貸与(2ページ目)

毎年130万人以上の学生が利用している日本学生支援機構の奨学金には無利子の「第一種奨学金」と利息のつく「第二種奨学金」があります。その他、入学初年度のみの一時金としての「入学時特別増額貸与奨学金」という3つ目の奨学金もありますが、その採用条件は少し複雑な内容となっています。今回は、入学時特別増額貸与奨学金と一種と二種の併用貸与について解説いたします。

久米 忠史

執筆者:久米 忠史

大学生の奨学金ガイド


「入学時特別増額貸与奨学金」の収入条件

なぜ、第一種・第二種奨学金とは異なった収入基準となっているのか?

実はこの奨学金が設けられた背景には、昨今の経済事情が大きく関係しています。特に入学初年度は2年次以降よりも大きなお金が必要となることは先にふれました。そのため、多くの家庭では、奨学金以外の教育費の調達方法として「教育ローン」を利用しています。

教育ローンにも公的なものと民間のものと様々な商品がありますが、最も代表的な教育ローンは、公的な金融機関である日本政策金融公庫(※沖縄県のみ沖縄振興開発金融公庫)が取り扱う「国の教育ローン」です。

教育ローンを申請すると当然審査があり、たとえ国の教育ローンでも借りることができない場合があります。

「教育ローンを借りることができなかったために学費を納めることができない!」 このような事態は十分に起こり得ることでしょう。

そこで、教育ローンを借りることができなかった家庭や特に経済的に厳しい家庭をサポートするために、この入学時特別増額貸与奨学金が設けられました。

解説画像

入学時特別増額貸与奨学金の採用条件


したがって、この奨学金の家計基準では、「国の教育ローンを借りることができなかった家庭」または「機構が定めるゼロ基準(目安:4人家族のサラリーマン家庭で世帯年収400万円以下程度)の家庭」となっています。

続いて、2種類以上の奨学金を同時に借りる「併用貸与」について解説します。

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