調味料/調味料の選び方

塩の種類と選び方

普段何気なく使っている塩ですが、実は、「水」や「空気」と同じくらい人間が生きていく上で必要不可欠な存在である塩。日本には、二千種類以上の塩が売られていると言われていますので、そんな塩の選び方や、使い方をお料理に合わせて使い分けてみてくださいね。

青木 敦子

執筆者:青木 敦子

調味料ガイド

塩の歴史

塩

人間の体には、0.7%の塩分が含まれていますし、生命を維持するために1日に最低でも塩1gを摂る必要があることから、私達は日々塩の恩恵を受けて生きていると言っても過言ではありません。古代ローマ時代には、役人や兵士のお給料は塩(サーレ)で支払われており、お給料(サラリー)の語源は塩からきていると言われています。

日本では1905年から塩の専売制度が敷かれていましたが、1997年に92年間続いた塩専売制度は廃止され、色々な塩を手にする事ができ、選択の幅が広がりました。

 

塩の種類

塩は大別すると岩から掘り出す「岩塩」と主に海水を使って作られる「海塩」に分けられます。岩塩は、世界各地の地層に埋もれた岩塩層から掘り出されるのでミネラルも豊富に含まれており、世界に存在する塩の約2/3が岩塩だと言われています。古いものになると5億年前と言う物もあり、新しくても200万年位前にできた物だろうと言われています。含まれているミネラルの違いや年月の違いによって、赤、黒、白など、さまざまな色が存在しています。

日本は、周囲を海に囲まれていることから、岩塩の存在はほとんどなく、基本的に海塩を生産しています。「海水塩」「天然塩」「自然塩」と呼ばれる塩は、日本近海の海水を使っていることを表しています。代表的な塩として、海水を蒸発させて精製させた最も純度の高い塩「精製塩」は、一般的に食塩、食卓塩、クッキングソルトなどと言われて使用されています。

他にも海水を塩田で天日によって乾燥させた「天日塩」、海水を釜で煮詰めた「平釜塩」などもあります。塩の選び方として私は、海の食べ物には海塩、山の食べ物には岩塩をおすすめします。日本料理には日本の塩をイタリア料理にはイタリアの塩、フランス料理にはフランスの塩と言ったように使い分けるとより本場の味に近づけるような気がします。

塩を使った調理のコツ

また、塩を加えるときに季節や素材によって塩加減は異なりますので、少しずつ加えて味を整えていく事をおすすめします。また、砂糖よりも先に加えてしまうと、砂糖より粒子が小さいので、素材に味が入り込みにくくなり美味しさが半減してしまいますので、加える順番もきちんと守って調理するようにしましょう。

塩には、脱水効果があります。魚などの臭みを取り除く働きもありますので、調理する20分くらい前に振ってから使用するようにしましょう。

また、お肉の場合は水分が抜けすぎると固く仕上がってしまいますので、調理する直前に塩を振って調理すると良いでしょう。他には沸点を上げる働きや、氷などに振り掛けると約氷点下20度まで下げる働きもあります。また、甘味を引き立たせる対比効果や、魚のぬめり取り、小麦粉のグルテンを出したり、色止めの役目や長期保存の効果など、さまざまな効果を発揮する優れ物です。

とても優れ物の塩と言えども、摂り過ぎは禁物! 1日10g以下が望ましいとされておりますので、上手に塩と付き合っていきたいものです。

塩の保存方法

塩は湿気を嫌うので、開封後に密閉容器に移し、冷暗所で保管して下さい。


色々な塩を試して、自分の味覚にあった塩を見つけて楽しんでくださいね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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