ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

フランスミュージカルと『ロミオ&ジュリエット』(2ページ目)

“スペクタクル・ミュージカル”とも評されるフランス発のミュージカルの魅力について、今年上演された『ロックオペラ モーツァルト』『ノートルダム・ド・パリ』、そして秋に再演の『ロミオ&ジュリエット』から探ります。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド


アクロバティックな見所満載。『ノートルダム・ド・パリ』

解説画像

カジモトとエスメラルダ。


 
来日公演では3月に東急シアターオーブで『ノートルダム・ド・パリ』を観劇。単純に、度肝を抜かれました!素晴らしい絶唱とともに、ダンサーたちがガシガシ踊るんですけど、その迫力といったら!ダンス作品並みに激しく踊っているといっても過言じゃないくらい。その上、アクロバットの要素も強く、壁の行き来やフライングはしょっちゅう。見所が多過ぎて、どこを観たらいいのやら。 

 

解説画像

鐘のパフォーマンスは迫力たっぷり。

それもただ単にスペクタクルなわけでなく、ちゃんと物語と繋がっているんですよね。孤独で醜い鐘つき男カジモトがエスメラルダへの思いを歌うシーンでは、左右に大きく揺れる鐘の上でダンサーたちがパフォーマンス。まるで鐘の音が響き渡るようで、ほれぼれしました。

 

この作品のように、歌い手とダンサーが完全に分業制、演奏が録音ということも、フランスミュージカルに多い話。規模や予算はどうしても限られますから、どこに比重を置いてとことん魅せるか。そのあたりの割り切りが、またフランスらしいなあ。

東急シアターオーブ


日本版『ロミオ&ジュリエット』がこの秋再演。

さて、これから上演されるフランスミュージカルらしい作品といえば、日本版『ロミオ&ジュリエット』。日本では2010年に宝塚歌劇団星組が初演以降、毎年再演。昨年には日本版が初演、そして来日公演もありました。

解説画像

撮影/宮川舞子


 
初めて観た時は、フランスものってこんなにポップでキャッチーなの?!とメチャ驚きましたよ。誰もが知る古典の恋愛悲劇を、現代の私たちの物語として鮮やかに甦らせてくれました。

フランス版は赤と青のモードな衣裳、踊りはコンテンポラリーと洗練した雰囲気。日本版では宝塚と同じく小池修一郎さんが演出。アニマル柄の衣裳にTETSUHARUさん振付によるストリート系の踊り、連絡を取り合うのはスマートフォンと今時の演出がユニークです。この攻めの姿勢、私は大好き!一度聴いたら耳に残るナンバーも満載で、結婚式の誓いの曲『エメ』やロミオと仲間が若さを爆発させる『世界の王』は、今も時折口ずさんでしまうほど。城田優さんはルックスも甘い歌声もまさにロミオそのもの。恋するって素敵なことだって、胸がキュンキュンさせられます。

今回の再演は、かなりキャストが入れ替わります。ロミオ役に城田優さんの他、『エリザベート』で耽美的で繊細な皇太子ルドルフを演じた古川雄大さん、『アリス・イン・ワンダーランド』でキュートでノリノリなラテン系猫エル・ガトを演じた柿澤勇人さんが加わります。城田さんが敵方のティボルトを演じるのも楽しみですね。

【公演情報】
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
2013年9月3日~10月5日 東京・東急シアターオーブ
2013年10月12日~27日 大阪・梅田芸術劇場メインホール

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