高級マンション/マンションのブランド論

東急不動産のマンション「ブランズ」(2ページ目)

長期優良住宅認定マンション「ブランズ四番町」(東急不動産、京阪電鉄不動産)のモデルルームが記者向けに公開された。東急不動産のマンションブランド「ブランズ」は、この物件を皮切りに商品のガイドライン、ブランドレギュレーションをマイナーチェンジする。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


「ブランズ」の中身を刷新

記者発表会

記者発表会

東急不動産のマンションブランドは、以前は「アルス」、ハイラインを「プレステージ」、コンパクトを「クオリア」、そして海辺に立つものを「シーサイドコート」と名付けていた。幅広い世代と世帯から人気を集める沿線を抱え、さらにはリゾート開発をも手掛ける同グループらしいネーミングバリエーションであった。

2006年、同社は「アルス」を「ブランズ」に変更。さらに、2010年には4つの異なる名称をすべて「ブランズ」に統一。4年越し、2度の改定を経て現在に至る。が、調査検証の結果、このたび改めてブランド強化を図ることとした。おもにはコンセプトの刷新とコミュニケーション(宣伝)の増量。記者発表会でのプレゼンテーションと新しいコマーシャルフィルムはこちらの動画(4分35秒)をご覧いただきたい。

「ブランズ」新コンセプト映像

「ブランズ」新コンセプト映像


マンションのブランド化、その前提条件

ブランズ四番町マンションギャラリー

ブランズ四番町マンションギャラリー

ブランディングに最も効果的なことは、良い物件をたくさん供給すること。それ以外に近道はないというのが業界の共通認識だ。好立地の持つイメージが印象を押し上げ、それが大規模になれば一定期間繰り返してPRできる。完成すれば、また次を出す。高質な実績(ストック)の存在そのものが、何より認知度を高め、納得感を上げる特効薬なのである。

いま、都心物件、高級物件を買おうとする人たちは高い割合で資産価値を重視する傾向にある。したがって、売るときにステイタスを備えた名称は魅力に映るだろう。マンションブランドの違いでイメージが良くもなり悪くもなる。もし、それが今後より顕著になるのであれば、デベロッパーの取り組みには一層関心が寄せられるだろう。

10年ほどで急速に認知を高めた「プラウド」は、まず供給目標を固めた。この世界で数を追うことは危険、無理はしないとの但し書きをつけてはいたが。「まずスタンスを決める。景況の波はわかった上で、それでも実践していけば事業は循環していく」。これはリーマンショックのダメージが残る2009年春、同社経営幹部がいったフレーズである。

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