チョコレート/サロン・デュ・ショコラのおすすめ

サロンデュショコラにて小山進氏が2年連続W受賞!(2ページ目)

2012年11月2日(日本時間11月3日)に、フランス・パリで開催されたチョコレートの祭典「SALON DU CHOCOLAT(サロン・デュ・ショコラ)」にて、エスコヤマの小山進氏がC.C.C.(クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ)最高位5枚タブレット+☆獲得。さらに「外国人部門最優秀ショコラティエ賞」受賞と2年連続ダブル受賞決定!速報をご紹介します。

下井 美奈子

執筆者:下井 美奈子

スイーツガイド

2012 SALON DU CHOCOLAT(サロンデュショコラ) コヤマススム出品作品

実食させていただきましたが、小山進氏の独創的な食材のセレクト、そして計算しつくされたショコラとのマリアージュが素晴らしいボンボンショコラです。ふきのとう、酒粕、桜チップのスモークなどの魅力的な日本の食材をフランスに紹介したという意義もあります。それでは詳しくご紹介しましょう!
「C.C.C.」に出品した作品 *画像左からボンボンショコラをご紹介します。

「C.C.C.」に出品した作品 *画像左からボンボンショコラをご紹介します。
 

L'aube(夜明け)

イメージにぴったりのカカオ豆を世界中から集め、フルーツ選びから発酵日数まで、数あるカカオオの中から小山氏が選んだのは、コロンビア産のカカオ。中米コロンビアのシエラネバダ山麓に広がるジャングルで収穫されたトリニタリオ種を中心としたカカオ豆を、発酵状態を見極めながら、必要な空気量を微細に調節しつつ、6日間かけて熟成。

カカオの酸味を残すため、焙煎は浅めに。さらにショコラとしてのボディを引き出すため、カカオニブの12.5%を焙煎した後に皮を取り除き、若干の追加焙煎をかけてあります。

こうした工程の後、ドライフルーツのように芳醇な酸味が広がる、非常にバランスの美しいエスコヤマオリジナルのクーベルチュールが誕生。
程よい酸味と苦味が印象的で口どけも滑らか。カカオのみで表現する華やかな一粒です。

ふきのとう(Fukinoto)

フレッシュな摘みたてのふきのとうを1時間かけて100℃のオーブンで焼き上げ、ドライ状態になったふきのとうをアンフュゼしてその香気を生クリームにうつし取り、ショコラオレと合わせてガナッシュに。その独特の香りや苦みと相性の良いパートナーとして選んだのは、深くまろやかな風味が特徴のヴァローナ社ジヴァララクテ40%です。ガナッシュをコーティングした上からも、さらにドライふきのとうのパウダーをふりかけ、ジヴァララクテと美味なるコントラストを描くふきのとうの野性的味を、いっそうインパクトのあるものへと高めています。

ふきのとうの苦味がショコラオレと合わせることにより程よくマスキングされ、ふきのとう独特の野性味あふれる香りが余韻にのこります。
意外なフレーバーにパリの人々は驚かれたことでしょう。

プラリネジャポネ(Praline japonais)

金胡麻の香ばしい風味を際立たせるのは、まろやかで豊かな風味を持つマダガスカル産クリオロ種のミルクチョコレート38%。金胡麻の奥深さとコクをより明確に表現しています。さらに、ガナッシュにキャラメリゼした金胡麻を加え香ばしさとともに、シャリッとした軽快な食感も楽しめます。金ゴマの一粒はごく小さなものですがアーモンドやヘーゼルナッツにも負けないこの個性的なプラリネで、胡麻の持つ力強いパワーを感じます。
胡麻の香りが芳ばしく、胡麻の粒状も残り食感もシャリッとして食感も楽しい。

日本酒(Sake japonais)

このショコラの主役は、エスコヤマの隣町・兵庫県篠山市で収穫された酒米「北錦」から造られる純米吟醸酒の酒粕。2層に分かれた下層部は、ヴァローナ社イヴォワール35%入りのキャラメルに純米吟醸酒をたっぷりと含んだ酒粕に加えた酒粕キャラメル。砂糖のキャラメル化を最小限に抑えることによって、そのコクだけを生かし、酒粕の風味を前面に押し出しています。上層部は、酒粕と純米吟醸酒にマダガスカル産カカオを原料とした、ベリーのような酸味が特徴のマダガスカル産カカオを原料とした、ヴァローナ社マンジャリ66%のショコラをアクセントに混ぜ込んだガナッシュ。酒独特の甘い風味を生かしてあります。

独特の風味の酒粕のコクとショコラとの相性が素晴らしい逸品。鼻に抜ける酒粕の香りが後を引きます。繊細な風味の日本酒ではなく、酒粕を使うところが新しい。

NINJA~忍者~

桜の樹のチップ「コポー」を専用のスモークマシンで燻し、この煙の香りを何とかガナッシュにうつし込もうと試行錯誤を重ね、最終的にたどり着いたのは、フローラルなアロマ漂うエクアドル産アリバナシオナル種をメインにしたショコラオレ50%とショコラノワール72%を刻んでマシンに入れ、数時間かけて燻すという手法。やわらかな樹の香りに燻し上がったショコラたちを用いて香気あふれるガナッシュが完成。味わいのアクセントとして同様に桜のチップで燻したゲランドの海塩を表面にあしらい、コーティングをかけてあります。

スモーク風味がショコラに見事に移り込み、オリジナリティ溢れる一品。

フランス・パリでの受賞状況

今年で18回目を迎える「SALON DU CHOCOLAT」。2012年のメイン・テーマは「LES NOUVEAUX MONDES DU CHOCOLAT(チョコレートの新世界)」です。元々チョコレート文化が育っていなかった国々(日本も含め)に焦点を当て、各国の素材や文化を認め合う。そして、ヨーロッパに新しいチョコレートの文化を取り入れるというコンセプトのもと、会場は多くの人で盛り上がりを見せています。

「SALON DU CHOCOLAT」の会期中、フランスの最も権威あるショコラ愛好会『Club des Croqueurs de Chocolat(クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ)』より、“Les 150 meilleurs chocolatiers de France”(フランスのショコラティエ ベスト150人)が発表されます。今年は167名のショコラティエの応募の中から試食に試食を重ねブラインド・テストを行い1~5、5+☆までのタブレット獲得者150名を選出しました。

今回、C.C.C.の課題作品は、ビターガナッシュを使ったボンボンショコラ1種、ミルクガナッシュを使ったボンボンショコラ1種、ナッツを使ったプラリネ1種、オリジナリティのある自信作を1種から2種類の計4から5種類。この課題に対し、コヤマススムは、コロンビア産のカカオを使用した「L'aube(夜明け)」、ふきのとうの苦味と深くまろやかな風味が特徴のヴァローナ社ジヴァララクテ40%を合わせた「ふきのとう(Fukinoto)」、金胡麻の奥深さとコクが際立つ「プラリネジャポネ(Praline japonais)」、兵庫県篠山市で収穫された酒米「北錦」から造られる純米吟醸酒の酒粕を使用した「日本酒(Sake japonais)」、そして、岸本斉史氏原作の日本漫画「NARUTO -ナルト-」からインスピレーションを受け生み出した「NINJA~忍者~」の5品を出品しました。

品評会でコヤマススムのチョコレートを試食したC.C.C.の審査員たちは、全員彼のチョコレートを激賞したとのことです。C.C.C.副会長兼C.C.C.ガイドブック編集長Alain Blanchon氏は「コヤマのチョコレートは見た目が非常に綺麗。今年のチョコレートにはみんなが驚いた。なぜなら、使用された素材はこちらにはないものばかりで、私たちにとって、新しい素材の発見になったからだ。全員一致でコヤマに賞が決まった。」とコメント。またC.C.C.メンバーのEmmanuelle de BARMON氏は「審査は作り手が誰だか分からないようにブラインド審査で行った。口に入れた瞬間、香り、カカオの風味、すべて素晴らしいと感じたら、やはりコヤマのチョコレートだった。」とコヤマのチョコレートを褒め称えました。その結果、コヤマススムは2年連続で最高位であるタブレット5枚+☆を獲得しました。小山進氏以外にタブレット5枚+☆を獲得したその顔ぶれは、ジャン=ポール・エヴァン氏をはじめとする、ショコラ界の重鎮ばかり。昨年から衰えることなく、コヤマススムが追求し続けた味が世界で認められたことを証明しました。

そして、本日2012年11月2日(金)現地時間16時から(日本時間3日(土)午前0時)、「SALON DU CHOCOLAT」内で行われる「2012 Chocolate Awards」にて表彰式が行われました。
登壇したショコラティエはC.C.C.にて最高位を獲得した選ばれし14名のみ。その中から、アワードが選ぶショコラティエに賞が送られます。
表彰式には、栄冠の賞を勝ち取るショコラティエを一目見ようと、多くの人が会場に集まりました。熱気に包まれる会場で多くの関係者が見守る中、なんとコヤマススムがショコラティエとして最も栄誉ある2012年外国人部門最優秀ショコラティエ賞を受賞いたしました!これによって、C.C.C.最高位獲得、外国人部門最優秀ショコラティエ賞の2年連続ダブル受賞が決まり、これは「SALON DU CHOCOLAT」史上初、世界初の快挙となりました。
(以上~フランス・パリでの受賞状況~については現地、広報の方から)

次のページでは、その他の出品作品をご紹介します。
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