高級マンション/マンションのブランド論

高級マンションの資産価値は外観デザインで決まる!?(2ページ目)

資産価値を睨んだマンション購入の決め手は、立地と価格。これに異を唱える人はいないだろう。では、その次に重視したい点は? と聞かれたら何と答える。今回は、昨今注目される「高級マンションの外観」について、その見分け方を考える。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


好き嫌いで決断してよいか

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では、肝心な見分け方はどうか。外観の良し悪しといっても、客観的な物差しが存在するわけではない。グッドデザイン賞受賞の有無など、それに近しい事象がないわけではないが、市場の共通認識を得るにはもう少し時間がかかるといってよいだろう。こういうとき、えてして人は好き嫌いで判断しそうになるのだが、もう少し拠り所のようなものがほしい。

そこで、ふたつほど提案してみたい。まずひとつは、いいものをたくさん見ることだ。マンションは、車やバッグのように普段街中ですれ違うことがない。自分で能動的に見に行かない限り、出会えない。行動なくして目は肥えないと考えよう。最近はネットの普及でかなりいろんなマンションの雰囲気がつかめるようになったが、やはり本質的には建物は実物を見て感じるしかない。

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街の個性、隣との距離感、道路との関係性、左右のバランス、塔状比、正面の見え方、緑の配置、通行人の視界の配慮、タイルの汚れ具合、植栽の荒れ方、サイン、照明。そういったものが重なりあって、「あのマンションは古さを感じさせない」とか「樹木が成長して景観もずいぶん良くなった」などと評され、建物はその印象が明確になっていく。数をこなし自分なりの尺度を持てさえすれば、あとは営業マンや専門家の意見を聞きながら、必要に応じて微調整するといった段階に進むことができる。数をこなせ、はなかなか抽象的なようだが、いざやってみるとそうでもない。

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ふたつめは、モデルルームでそのマンションの「コンセプトを聞く」こと。つまり、逆にディテールにとらわれるのではなく、上位概念の存在とその中身を理解する。優れた外観デザインなのに、設備は二流。そんな物件はまずないだろう。すべてにおいて優良と思えるマンションは、しっかりとしたコンセプトに基づいて計画された場合が多い。木を見て森を見ず、をさける手っ取り早い方法でもある。

なかには、「販売促進のためのスローガンでは?」といったものもあるだろう。その際は、「自分が売るときの参考にしよう」と割り切るしかない。資産価値重視といっても、意外に売るときのことをイメージしていない人が多い。だから、この機会に売主の立場を理解しておこう、と思えばいい。

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