高級マンション選びの前に

更新日:2011年10月31日

「制振(制震)構造マンション」の基礎知識

「耐震」や「免震」に比べ、なぜか「制振」はその具体的なメカニズムや効果に触れる機会が少ない。表記ひとつについてもそう。建設業界では「制振」の字を用いられるが、マンションでは「制震」の字が大勢。これには何か理由があるのか。制振構造のマンション建設を数多く手がける大成建設に取材を試みた。

構造は地盤とセットで理解

直接基礎イメージ

直接基礎イメージ

構造は、免震・制振・耐震の順にグレードが良いとされるが、最適な構造とは地盤と建物の形が前提となって決まるものだ。例えば硬い地盤の上に立つ建物は柔らかい地盤にあるより地震の揺れが小さくなり、低層の建物なら制振構造の採用はさほど効果的とはいえないようだ。

前ページの「制震間柱」配置図は、目黒区のプロジェクト「クロスエアタワー」の図面だが、この現地などは良好な地盤が地表近くにあるため、直接基礎工法で建設されている。点で支える杭基礎に対し、面で支える直接基礎はより安定度が増すと考えられている。

さらにこのマンションでは一部、全国初採用の超高強度コンクリート「200N/mm2」(1センチ平方メートルで2トンの重さを支える。100年コンクリートが30Nだから、その6倍以上の強度を誇るコンクリート)を使用。資産価値を視野に入れるなら、耐震性だけでなく、こうした地盤や躯体の耐久性も理解できるようにしておきたい。

これからの超高層マンションの構造

ゼネコン各社の話によると、3月の震災以降、制振や免震の相談が相次いでいるという。そんな状況から、今後タワーマンションはどちらかが必須になるのではないかと推測しているようだ。

だが「制振」に関していえば、共用部の状況や建物の形状まで幾多の要素がかさなって効果が発揮されることから、単純に制振装置の有無だけを見て判断するのは早計といえるだろう。分譲マンションに合ったメンテナンス方法なのか、そのためのコストはどうなるのか、万一の時の交換方法も含め、検討の際は細かく把握するようにしたい。

【関連記事】
「免震と制震の基礎知識<番外編>」

【取材協力/(一部)資料提供】
大成建設
文中の制振に関わる数値は「クロスエアタワー」を対象にしています。
大成建設の建設現場

大成建設の建設現場(2011年1月撮影)


【お知らせ】
Facebookページを公開しています。質問などコメント欄を自由にお使いください。
※但し、基本データが確認できる場合に限りますので、予めご了承願います。


1 2
  • 印刷する
  • ブックマークする
  • 携帯に送る
  • ブログに書く

あわせて読みたい

この記事の担当ガイド

写真

坂根 康裕

「住宅情報 都心に住む」の元編集長。現在は住宅評論家として活躍中。

続きを読む

ガイドからのお知らせ

新築分譲マンション検索

新築分譲マンション検索

All About

全国の物件が探せる、All Aboutの新築マンション検索サイト。エリア、沿線、人気の条件から、自分に合ったマンション物件を探そう。

住宅・不動産関連コミュニティ

北欧好きが、愛用の北欧モノを見せ合うコミュニティ

メルマガ登録

【住宅・不動産メルマガ】一戸建て、マンション、リフォームからインテリアまで、住まいに関するアイデア満載の情報をお届けします。

ショッピングカタログ

All About モバイル

QRコード

All Aboutがケータイで読める!

オススメ記事をメールでチェック

知識・経験を生かして、記事を書いてみませんか?