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燃費の悪化を抑える運転術 その1

燃費対策には、空気圧などクルマのコンディションチェックや燃費が悪化しやすい走行状況を避けることが大切だが、もちろん運転の仕方も大きく影響する。ただし、よく言われるような「アクセルを優しく踏む」だけでは、十分とは言えない。

執筆者:宮島 小次郎

燃費向上のカギは、アクセルをしっかりと踏むこと!?
 

ポンピングロス

燃費運転といっても、アクセルをそっと踏むというだけでは十分とは言えない。踏むところはしっかりと踏み、エンジンのポンピングロスを低減することも重要なのだ。

燃費運転と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが、アクセルを大きく踏み込まないようにしてそっとスタートしたり、スピードを控え目にするといった乗り方ではないでしょうか。基本的にはこの2点を徹底することが燃費運転の中心ではありますが、それを意識するあまり加速がゆったりしすぎるのも、逆に燃費を悪化させる要因となることがあるのです。では、燃費のいい加速の仕方とは、どんなものなのでしょうか。

実はエンジンの効率という面から見ると、ある程度アクセルを踏んで、しっかりとスロットルバルブを開くような走り方が理想的なのです。(ディーゼルエンジンやBMW、フィアットなどの一部のスロットルバルブレス・エンジンを除く)一般的なガソリンエンジンでは、アクセルペダルの踏み込み量に応じて、エンジンが取り込む空気の量を調整するスロットルバルブが開閉します。

もちろん、アクセルの踏みこみ量が少なければスロットル開度は低く、多く踏み込めばスロットルも大きく開きます。エンジンは燃焼室内でピストンが下降するときに発生する負圧によって、吸気を吸い込む構造となっていますが、このとき空気の取り入れ口であるスロットルバルブが少ししか開いていないと、空気をエンジンの中に取り込みにくい状態となります。

これを専門用語ではポンピングロスと言います。分かりやすく例えると、細いストローと太いストローで息を吸ってみると、細いストローではなかなか息が吸えないのに対し、太いストローだと楽に吸えるはずです。この細いストローで吸っている状態が、アクセルをあまり踏まない状態、太いストローがアクセルを多めに開けた状態です。

細いストローで空気を吸うときの抵抗が大きい状態というのが、エンジンでいうところの吸気抵抗、すなわちポンピングロスが大きい状態なのです。このポンピングロスは、エンジンが作動するときの抵抗のうち最大で約30%を占めるとも言われていますから、なるべくポンピングロスを抑えた加速をすることが燃費向上のカギとなります。その具体的な方法とは、アクセルをなるべくしっかりと踏むことです。

燃費運転には、アクセルを踏みすぎない方がいいというのが常識だったはずですが、これは一体どういうことなのでしょうか? 次ページでは、その矛盾を解説します。

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