VW(フォルクスワーゲン)/トゥアレグ

環境性能も向上、真面目に豪華なトゥアレグ

国内における事実上のフラッグシップとなる大型クロスオーバーSUV、トゥアレグ。2代目となる現行モデルは軽量化や高効率化、ハイブリッドモデルの投入などにより環境性能も高められている。ゆったり泰然と、心かまえることなく乗れる、非常に落ち着きのあるクルマだ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

大きなSUVでも“らしさ”はきっちり表現

フォルクスワーゲントゥアレグ

国内にはハイブリッド(898万円)とV6(623万円)をラインナップする。サイズは全長4800×全幅1945×全高1740mm。旧型比で全長+45mm、全幅+15mm大きくなりつつも、車重は最大70kgも軽量化されている

フォルクスワーゲントゥアレグ

ハイブリッドには軽量で比較的ライト(最大登坂能力31度)なトルセンディファレンシャル付きの4モーション、V6には本格的(最大登坂能力45度)な電子制御マルチプレートクラッチタイプの4Xモーションが採用される

一時のプレミアムブランド化路線の産物ともいえるトゥアレグのような大型クロスオーバーSUVの存在も、今となってはフォルクスワーゲンにとって、ふさわしいフラッグシップモデルの有り様にも思えてくる。日本未輸入の大型高級サルーン/フェートンもあるが、“らしさ”を表現できたという点で、トゥアレグの方には存在理由がまだしもあった。

フォルクスワーゲンマークのでっかいセダンは要らない、けれどもでっかいSUVなら欲しい。受け入れる側の、その感覚の違いを説明するのは難しいけれども、ハッチバックモデル主体のラインアップとの整合性やら、SUVカテゴリーそのものの新しさ(逆に言うと大型セダンの保守性)が、トゥアレグの存在に追い風となったように思う。

フォルクスワーゲントゥアレグ

変速比が従来モデルより20%以上ワイドになった新開発の8ATを搭載。7、8速はオーバードライブギアとなり、エンジン回転数を20%引き下げ燃費を向上させてくれる。アイドリングストップ機構も備わる

初代は間違いなく成功した。2代目の実質的な進化幅は相当にあって、そういう理詰めの煮詰めも実にフォルクスワーゲンらしい。一見、小さくなったように見えるのは、いわゆる“シルヴァ顔”(ワルター・デ・シルヴァがフォルクスワーゲンのデザイン責任者になって以降のマスクデザイン)になって顔つきにワイド感が増し、さらに背も若干低くなっているからだろう。もっと重要なことは、大型車の進化に必須の軽量化を体重約1割というレベルで達成していること。さらに、パワートレイン系での高効率化や、ハイブリッド車の投入などによって、モデルとしてのエコ性能も高めてきた。ハイブリッドモデルは、ブランドの枠を超えてプレミアムな存在である。

フォルクスワーゲントゥアレグ

ハイブリッドは最高出力333ps/最大トルク440Nmを発生する3リッターV6TSIエンジンに、最大出力46psのモーターを組み合わせた。0-100km/h加速は6.5秒、10・15モード燃費は13.8km/lを達成する。また、モーターのみで最高速50km/h、最大2kmまで走行可能。V6には最高出力280ps/最大トルク360Nmの直噴3.6リッターFSIエンジンを搭載。こちらは従来型38%燃費を向上させ、10・15モード燃費は9.5km/l

日本における事実上のフラッグシップ車としての風格は、スタイリングよりもむしろインテリアに現れている。ポロやゴルフと打って代わって、価格に見合ったゴージャスな雰囲気だ。とはいえ、デザイン的に奇をてらったところはなく、あくまでも真面目に豪華。それがかえって抑え気味に見えて、大人っぽく上品でさえある。

ゆったり泰然と、心かまえることなく乗れる、非常に落ち着きのあるクルマだ。自分の生き方を、既にきちっと心に定めていて、もう決してぶれることなく、かといって社会性を失わずに生きていけるような、そんな人のための大型SUVである。

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