ロコモティブシンドローム/ロコモティブシンドロームの症状・予防法

ロコモ予防に! 骨粗しょう症対策の食事法(2ページ目)

健康寿命を延ばすためには、メタボに加えロコモが重要なポイント。「ロコモティブ・シンドローム」と、その原因の一つである骨粗しょう症を少しでも予防するための食事のポイントをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


骨粗しょう症患者は1,000万人!

財団法人 骨粗鬆症財団によると、骨粗しょう症の患者数は約1,300万人と推計されており、人口の高齢化によって今後さらに増えると予測されます。

骨粗しょう症の危険因子は、
  • 閉経、加齢、やせ、家族歴など遺伝的・身体的な因子
  • 偏食やカルシウム不足、コーヒーの多量摂取、運動不足、喫煙、日光不足などライフタイルに関わる因子
  • 卵巣摘出など人工的閉経、乳糖不耐症や胃切除、糖尿病等の他の病気によるもの
などがあります。

また骨粗しょう症は特に女性に多く見られ、65歳以上の女性の2人に1人は骨粗鬆症にかかる恐れがあるといわれています。というのは、高齢の女性は、閉経によって女性ホルモンのエストロゲンが減少するに伴い、骨量が減少することが知られています。卵巣摘出等の手術による人工閉経が危険因子というのも同様です。

若い女性が、骨粗しょう症の心配は高齢者になってからすればよいと思っていたら大間違いです。小児から骨は成長し、20歳は一生で骨量のピークを迎え、その後は40歳代まで維持し、閉経後急激に減少して行きます。骨粗しょう症予防のためには、若い時期に骨量を十分に蓄えておくことが肝心です。

その大切な若い時期に、偏食により骨に必要なカルシウムが十分摂取できていない、あるいは極端なダイエットのせいでホルモンのバランスを崩すようなことがあれば、将来的に骨粗しょう症につながる可能性が考えられます。ですから若いときからの食生活や適度な運動が大切なのです。

骨粗しょう症を予防する食事のポイント

骨粗しょう症予防のためには、危険因子にあげられている偏食やカルシウム不足にならないようにすること。また骨と言えばカルシウムと思いがちですが、運動等して負荷をかけなければ骨は強くなりません。

さらに骨粗しょう症予防に関わる栄養成分は、カルシウムだけでなく、 リンとマグネシウムとのバランス、ビタミンD、ビタミンKなど、様々な栄養素や成分が関わっています。毎日の食事で幅広い食品から多様な栄養成分をとることが、それが骨だけでなく健康の維持・増進にも有効だということです。

コーヒーの多量摂取が危険因子にあげられているのは、コーヒーには利尿作用があり、カルシウムが尿とともに排泄されてしまうためと考えられています。1杯でも飲むといけないというのではなく、1日に5杯以上飲むなど比較的多めに飲む方は、少し控えるとかカフェオレにする、乳製品や小魚、大豆などを意識的に食べるなど、意識してみてください。

骨粗しょう症に関わる他の栄養素や成分については、詳しく過去の記事でもご紹介していますので、ご覧下さい。


カルシウムはサプリメントで補給した方がよい?

平成24年の国民健康・栄養調査において、カルシウムは、食品から、平均499g摂取しています。日々の食卓で、牛乳や大豆製品、青菜類、海草類などを意識して後一品、あるいは間食に加えてみましょう。
カルシウム,食事摂取基準

 

高齢者など、どうしても不足する場合は補助的にサプリメントを使用することもやむを得ないかも知れません。 その際に気をつけていただきたいのは、カルシウムの生体吸収率は、カルシウム源や、カルシウムの吸収を阻害するものとの食べ合わせ、年齢や性別、身長、体重、活動量などによっても異なりますし、飲んだサプリメントがすべて吸収されるわけではありません。

サプリメントでカルシウムを摂取する場合、耐容上限量は日本人の食事摂取基準2010年版では1日2,300mg(18歳以上)まで、2015年版では2,500mgになります。大量に摂り過ぎると便秘になったり、泌尿器系結石になる、他のミネラルの吸収を阻害することもありますので注意してください。

参考/
日本整形外科学会
ロコモ・チャレンジ!
財団法人骨粗鬆症財団
健康食品の安全性・有効性(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
平成24年国民健康・栄養調査結果の概要
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版
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