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バッテリーの劣化を抑えるためのメンテナンス術(2ページ目)

バッテリーの劣化を抑えるためには、バッテリーを常に満充電の状態に保つことがポイントとなる。そのためには、定期的にクルマを動かして、しっかりと充電を行う……、だけでは不十分。バッテリーのコンディションをよりよい状態に保つためには、バッテリーチャージャーによる定期的な充電が最も効果的なのだ。

執筆者:宮島 小次郎


充電制御を行うエコカーでは、メンテナンス充電がより効果的
 

使い方

使い方は赤いクリップをバッテリーのプラス端子に、黒いクリップをボディなどアースの取れる場所に繋ぎ、コンセントを電源に接続する

CTEKバッテリーチャージャーの使い方はとても簡単で、バッテリーに端子をセットしてコンセントに繋ぎ、使用するモードを選択するだけで自動的に充電を開始します。バッテリーはクルマに搭載したままで作業できますから、バッテリー脱着の手間も掛かりませんし、オーディオなどのメモリーがリセットされることもありません。また、充電中の液温は一定に保たれるため、ガスの発生を抑えるためにキャップを外したりといった作業も不要です。

充電は電圧、電流ともにマイコンで制御される4ステップのサイクル(プロユースの高性能タイプでは8ステップ)で行われます。まずは、パルス電流によってサルフェーションを分解するディサルフェーション・ステップを、次にバッテリーに負担を掛けずに充電を行うバルクチャージ・ステップ、そしてより確実に充電を行うための吸収・浸透充電ステップによって100%に近いレベルにまで充電が行われます。

長期間にわたって充電が続けられる場合は、一旦送電は停止され監視充電ステップとなります。製品によっては、充電終了後も微電流を流し続けることで、自然放電や暗電流によって失われる分を補充電する制御が行われるようですが、微電流とはいえ常に電流を流し続けるとバッテリーに負担を掛けるというのがCTEKの考え方です。その代わりにCTEKでは、送電が終了した後も、バッテリーの状態を常に監視して、電圧が低下してきたら補充電を行い、満充電を維持するよう制御されます。

購入

写真のJS3300は、一部の通販サイトでも購入できる他、バイク用品を扱う2輪の量販店などでも販売されている

実は、このCTEKバッテリーチャージャーによるメンテナンス充電は、日頃からそれなりの距離を走るクルマのバッテリーメンテナンスにも有効です。走行による充電は、あくまでもオルタネーターで発電した電力の余った分をバッテリーに送電しているといったレベルもので、バッテリーのコンディションを考慮した充電とはいえません。これに対して、専用のバッテリーチャージャーでは、精密な電圧・電流制御によってバッテリーに最適な充電が行われるため、より満充電に近い状態にまで持って行くことができるのです。

また、最近のクルマでは、燃費改善のため、アクセルオンの状態ではオルタネーターを停止させ、アクセルオフのときにのみ発電するといった充電制御も行われています。こうしたモデルでは、バッテリーへの充電を最低限に抑えるために、使用した分だけを充電するような制御も行われており、バッテリーにはより厳しい状況といえます。そのため、バッテリー自体も従来モデルよりも容量が大きめのサイズが設定されているほどです。

こうしたクルマでは、例え毎日ある程度の距離を走っていたとしても、やはり十分な充電が行われていないことが考えられますから、バッテリーチャージャーによって補充電を行うことで、よりバッテリーの寿命を延ばすことができるはずです。その場合の使い方としては、毎日充電する必要はなく、使用状況に合わせて週1回から月1回ほど充電を行うだけでも、コンディションの維持が期待できます。

ただし、このバッテリーチャージャーを使うためには、当然100Vのコンセントから電源を取れる環境が必要となりますから、今のところは誰にでも使いやすいとはいえない点が課題といえます。
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