起業・独立を考えるとき、オフィスをどこに構えるかは非常に重要な問題です。集客や起業イメージ、コスト、資金繰りにも直結してくるからです。また、会社設立の際に本店所在地を決める必要があるので、起業・独立準備段階で、まず最初に悩むポイントでもあります。ガイドの豊富な起業支援経験から、起業・独立時のオフィス選びについて、ポイントを解説していきます。
オフィス物件選び6つのポイント
オフィス立地は集客への影響大
起業・独立時のオフィスの立地を決めるにあたって、「なんとなく家から近いから」とか、「家賃がすごく安いから」といった理由で立地を決めてしまうのはもったいないです。特にお客様の来訪が伴うビジネスにおいて、立地はマーケティングの最重要な要素の1つですよね。間違いなく集客に影響します。
もちろん予算との相談にもなりますが、ターゲットとなる顧客層との接点も考慮しつつ、以下の点がオフィス選びのポイントとなります。
1.どのエリアの人(または会社)を潜在顧客層とするか
例えば、東京でいえば、渋谷か新宿か銀座か大手町か吉祥寺かで、潜在顧客とする人(または会社)が住む(オフィスを構える)エリアが全然違ってきますよね。どのエリアの人(または会社)を潜在顧客層にするか、まずは検討してみましょう。
2.駅の沿線数・潜在顧客数
寄り駅の沿線数で潜在顧客数の広がりが違ってきます。特に地元密着ではないビジネスモデルの場合、ターミナル駅の近くにオフィスを構えることは非常に有利になります。もちろん、車や徒歩でのアクセスを想定する地域の場合、周辺道路の状況も考慮に入れる必要があるでしょう。
3.駅からの距離
お客様の立場に立つと、なるべく駅から近い方が来訪時の心理的障壁が少なくなります。徒歩3~5分以内が理想的ですよね。また、初めて駅から来訪されるとき、わかりやすいかどうかも重要です。実際に歩いてみて、角を曲がる回数、通りや信号を渡る回数が少ないかどうか、目印があるかどうかもチェックしましょう。
4.街のイメージ
街から受けるイメージや雰囲気も重要です。業種によっては、オフィスや本店所在地がどこにあるかで、会社そのもののイメージに影響を与える可能性があります。これは商品・サービスの価格帯とも関連してきますので、必ず意識するようにしましょう。
5.エリア競合
同じような展開をしている同業他社とのエリア競合がないかどうかも重要です。衝突を避け、ニッチなエリアに展開するのも戦略の1つです。
6.創業融資との関係
自治体の創業融資の借入を検討している場合、会社設立の段階で、どこに本店を構えるか検討することも重要です。都道府県や市区町村によって、創業融資制度の融資条件に有利不利があるためです。また、通常、融資を受けた後、返済が終わるまで本店所在地の移転が制約されますので、将来的な展開も考慮する必要があります。
以上のようなことが起業・独立時のオフィス選びのポイントです。もちろん、全ての条件が全て完璧に揃う物件などありません。何を優先するか、優先順位を決めた上で、少なくとも事業展開に合わせた立地戦略を考慮することは重要です。
規模と家賃の考え方
いくら立地を考えるといっても、家賃は費用対効果で見て合理的な金額に抑えるべき。家賃は夜中だろうが休みの日だろうが常に課金されている固定費ですからね。特に最初は固定費は最小限に抑えないと利益が出ません。例えば、立地が良い分、面積は必要最小限にしたり、建物は古いものでガマンするなど、調整が必要でしょう。
一部では、先を見越して大きめのオフィスを借りておくという強気の考え方もあります。ただ、ガイドの今までの起業支援の経験上、あまりオススメしません。売上が軌道に乗るまでの間、家賃が固定費として資金繰りに重くのしかかってくるケースが多いからです。あまりムリせず、まずは身の丈にあったギリギリの大きさからスタートして利益を捻出し、社員の数に合わせて引越すということで良いのではないでしょうか。