トルコの治安ってどうなの?

スルタンアフメット地区をパトロールする警察官

観光地には多くの警察官が配備されているけれど……


トルコは、きちんとした情報を得て場所と時間帯に気を付ければ、それほど危ない国ではありません。ただし、貧富の差が激しい観光大国であることから、観光客相手のスリ・ひったくり、強盗や詐欺犯罪が多いのは確か。一部のトルコ人から見ると、日本人はまだまだお金をたくさん持つリッチな人たち、というイメージなのです。

また、世界各国にビザなしで入国できる日本のパスポートは裏社会で非常に価値が高く、狙われやすいモノの一つなのだそう。現金をあまり持っていないからといって安心せず、パスポートも含め貴重品には常に注意を払っておきましょう。

それでも、こうした観光地特有の犯罪は、ポイントを押さえた対策をしておけば防げるもの。自分の身を自分で守る気持ちを常に持ちながら、旅行を楽しみたいですよね。

トルコ旅行中の治安対策についてはこちら>>>トルコの犯罪対策

トルコ国内に武装勢力ってまだあるの?


PKK

PKKの拠点はイラク国境の山中だが、最近ではディヤルバクル県スル市など市街にも出没している(©info-wars.org)

最近になって、また活発になりつつある武装勢力によるテロ活動。トルコ国内には下記のような武装勢力があります。

■クルド労働者党(PKK)
東および南東地方を中心にクルドの独立を目指す武装組織。現与党のAKP政権が推し進めていた和平交渉で、一時は解決の方向に向かいつつあったものの、これがとん挫したことから2015年7月以降活動が再び激化。2015年12月現在、PKKと政府との衝突は主に東部で激しくなっており、政府は東部にあるいくつかの町で外出禁止令を発令してPKKの一掃作戦に入っています(これは数か月続くと見られています)。シュルナック県、マルディン県、ディヤルバクル県などの一部の市や町に近づくことは非常に危険となっていますので、こうした県への旅行は現時点では見合わせましょう。
PKKのターゲットは主に軍隊や警察など治安当局なので、現在東部・南東部を除く別の都市で普通に観光しているツーリストが被害に遭う事はあまりありません。ただし情勢には常にアンテナを張り、気を付けておくよう心がけましょう。

■革命的人民解放党・戦線(DHKP-C)
反政府・極左組織で、最近再びテロ活動を活発にしています。こちらもターゲットは主に軍や警察といったトルコ治安当局で、組織力がそれほど強くないため活動も比較的小規模のものが多いのが特徴です。ただし注目を集めるため米国大使館やドルマバフチェ宮殿の兵隊などを狙うこともあります。巻き込まれることがないよう、デモや騒ぎがあったら遠ざかるようにしましょう。

■イスラム国(ISIL)
シリアやイラクと長い国境を接しているトルコ。これまで国内でイスラム国関係者が関わっていると思われるテロ事件が数件起きています。そのうち大規模な被害があったスルチ爆破事件、アンカラ鉄道駅前テロ事件を見てみると、ターゲットは左派や社会主義者、クルド勢力であることが分かっています(これは、シリア国内の戦闘で彼らがイスラム国と戦っているためです)。ただ、イスラム国は世界の注目を浴びるようなターゲットを選ぶこともあり、当局が未然に防いだものの2015年11月にアンタルヤ行われたG20首脳会議やイスタンブール・マラソンも狙われていたのでは、という報道もあります。
今やフランスやアメリカをはじめとした世界中の大都市がイスラム国テロのターゲットだと言われている時代。人々が大勢集まるようなビッグイベントや場所には近づかないよう、常に気を付けましょう。

日本外務省が発表しているトルコの治安情報についてはこちらも>>>外務省海外安全ホームページ「トルコ」

 

トルコのどこにどんな危険がある?

スルタンアフメット

観光のメッカ、スルタンアフメット広場はいつも観光客でいっぱい

観光客相手のスリ・置き引き・強盗・詐欺といった犯罪は、やはり観光スポットが多い大都市に集中しています。例えばイスタンブールのスルタンアフメット地区などは、一般のトルコ人よりも観光客人口の方が断然多いことから、この種の犯罪率も高いのが現状です。観光中、歩く時にはカバンに注意し、日本語や英語で話しかけてくる人には要注意です。

観光都市、イスタンブールの治安についての詳細はこちらをどうぞ>>>イスタンブールの治安

Urfa

ほのぼのした田舎にも、危険な一面が

一方、地方の田舎町などにはこうした犯罪とは無縁のほのぼのとした場所もありますが、町外れの山の中や都市と都市を結ぶ道路沿いなどでは、ほとんど人がいないところも珍しくありません。特に夜など暗くなった時間帯にそのような場所を1人で歩いたりしていると事件に巻き込まれる可能性もありますのでご注意を。


 
otogar

長距離バスに乗る時は、目的地のバスターミナルに入るかどうかを確認(©lojiport.com)

例えば安い長距離バス会社を利用すると、時々町の中心にあるバスターミナルまで入らず(←バスターミナルに入るにはそれなりの料金が発生するため)、町外れの道路沿いで客を降ろす場合があります。公共交通機関があまり発達していないトルコでは、郊外から町の中心地まで行くのにヒッチハイクぐらいしか方法がない地方も多く、こうした人たちを狙った強盗事件も起きています。長距離バスを利用する場合にはできる限り大手のバス会社を利用し、乗り換え場所や時間帯には十分注意したうえでチケットを購入しましょう。

中央・東アナトリアや南東地方では実際、過去に日本人も含めた観光客が行方不明になったり誘拐されたりした事件も発生しています。また、地方によっては山賊が出たり、上記にあるPKKのメンバーによる連れ去り事件もあり得ますから、地域によっては危険性を十分認識して旅行計画を立てましょう。

 

fotoyasak

この標識の近辺では撮影禁止(©haberform.com)

ちなみに、トルコでは軍関連施設は撮影禁止です。そうした施設はたいてい金網で囲われており、赤いプレートで「撮影禁止」と書かれていますが、誤ってそうした場所が含まれるような写真を撮っているところが見つかると、軍警察に拘束され起訴されることも珍しくありません。兵士等がいる場所での撮影には気をつけましょう。

またイラクやシリア国境近辺は、昨今起きているイスラム国(ISIL)情勢を踏まえ警備強化が進んでおり、国境沿いは外国人が足を踏み入れるのでさえ禁止されているエリアが多くなっています。そうした立ち入り禁止指定エリアにうっかり入ってしまうと、それだけで軍警察に起訴され国外追放になるので注意しましょう。しかし、実際どこがそういうエリアなのかは見ただけでは全く分からないのが現状です。現時点では国境エリアの旅行は避けましょう(2015年現在、トルコのシリア・イラク国境沿いエリアは外務省から退避勧告が出ています)。