虫歯はないのに歯が痛い・歯ぐきが腫れた……ストレスや体調不良が原因のことも
ストレスや疲れで歯が痛くなることは、実際にあるのでしょうか?
ストレスが原因で間接的に歯が痛むケース
ストレスが歯の痛みを直接的に引き起こすということは、一般的にはありません。しかしストレスが高まったときに、寝不足や疲れにより、歯の調子がおかしくなるのはよくあること。実はこれらの痛みは、ストレスによって間接的に体の抵抗力が落ちることで現れてくるのです。
体調不良・ストレスが起こす歯・口のトラブル一覧
■ 歯ぐきの腫れ普段からケアされている健康な歯ぐきであれば、疲れやストレスがあっても歯ぐきが腫れることはほとんどありません。しかし歯周病の原因となる歯石やプラークが付着していると、歯ぐきの抵抗力でなんとか炎症を押さえ込んでいる状態になっているため、ストレスで抵抗力が減少すれば歯ぐきが腫れることがあります。
■ 歯が浮く
歯が浮いて、痛みが起きることがあります。考えられる主な原因は2つ。
- ストレスが原因の歯ぎしりが続き、健康な歯が一時的に横方向に過度に揺らされて浮いてしまった場合。咬み合わせを調整することで痛みが軽減します。
- 根の奥に膿が溜まったり、歯周病などの慢性炎症がある場合。通常は体の抵抗力で痛みを押さえ込めていても、ストレスや疲れで抵抗力が落ちるとバランスが崩れ、歯が浮くことがあります。歯の根の治療が必要。
■ 歯ぐきのおできが膨らむ
よく見る症状ですが、痛みがないので放置されがち。歯ぐきのおできは噴火口にすぎず、その奥の骨の中に、歯が原因のマグマのような膿溜まりがあることも。体調によって腫れたり引っ込んだりを繰り返すことがほとんどですが、根の治療を行わない限り完治しません。
■ 口臭の悪化
緊張などによるストレスは、唾液の分泌を少なくしてしまいます。細菌から出ている悪臭などは通常唾液が洗い流してくれているのですが、口の中が乾くことで一時的に口臭が発生しやすくなります。
■ 虫歯の痛みの再発
浅い虫歯はそれほど違いなし。しかし歯の神経の近くまで進行した深い虫歯や、一部神経などに達している虫歯は、体の抵抗力が落ちると急に痛くなることがあります。
■ 急な歯のぐらつき
歯周病は自覚症状がなく、こっそり進行していることがほとんど。軽いものは体の抵抗力で炎症を押さえ込んでいます。末期の歯周病になると、ストレスや疲れで抵抗力が落ちたタイミングで一気に腫れて歯がグラグラになります。ひどい場合は抜歯となることも。
繰り返す腫れや痛みは要注意! 虫歯や歯周病が隠れていることも
口のトラブルのほとんどは、腫れや痛みを繰り返すことが多いもの。落ち着くたびに、「治った」と思い、また腫れや痛みが出ると「やっぱりダメか。でもまたしばらく待てば……」と思い、歯科での治療を先延ばしにしがち。様子見と放置を繰り返しているうちに、虫歯や歯周病がさらに悪化してしまったケースはよく目にします。痛みや腫れの繰り返しは、基本的にはどんなに待っても良い方に改善することはありません。自然に治るわけではないのです。さらに腫れや痛みがひどい時ほど、無痛治療が行いにくいことも忘れてはいけないでしょう。痛くない時が治療のチャンスなのです。
検査もせずに歯や歯ぐきのトラブルをすぐにストレスに結びつけ、「ストレスがなくなれば、どうせ自然に治るさ」といった思い込みは、思わぬ病気を見逃すことにつながる場合もあります。かかりつけの歯科医院などを利用して、問題がないかチェックだけでもしてもらうことをオススメします。
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