米国でトランス型脂肪酸を規制するのは何故?
米国から輸入された加工食品を見ると、総脂肪量、飽和脂肪酸量、コレステロール量の表示があります。これらが冠状動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)の危険因子となるからです。そのために消費者に注意を促すために脂肪に関して表示が義務付けられています。それに加えて、2006年1月までに冠状動脈疾患の危険因子となるトランス型脂肪酸含有量も義務づけられる事になりました。ドイツでトランス型脂肪酸を規制した理由
腸の慢性炎症疾患でクローン病という難病があります。ドイツではマーガリンの摂取とクローン病の因果関係が証明されました。そのためにマーガリンの使用が制限されています。日本でトランス型脂肪酸の摂取を避けるには?
日本ではアメリカのように総脂肪量、飽和脂肪酸量、コレステロール量の表示を義務化する動きはありません。それより一歩進んだトランス型脂肪酸の表示の義務化も当然、ありません。また、マーガリンの使用の制限もありません。しかし成分表示があるのでマーガリンやショートニングの使用については確認できます。
スーパーやコンビニで確認すれば、市販のペストリーや袋パン、ケーキ、クッキー、レトルト食品はマーガリンやショートニングを使用してあることが直ぐにわかるはずです。ファーストフードやファミレスで加熱調理に使用している油もトランス型脂肪酸を含んでいる可能性が指摘されています。
授乳中の方は特にトランス脂肪酸に気をつけましょう
母親がトランス型脂肪酸を摂取すれば母乳中に分泌されます。急速に成長している乳児が取り込んだトランス型脂肪酸を自分の細胞膜に使うとアレルギーやアトピー体質になりやすくなります。授乳中の女性は特にトランス型脂肪酸に気をつけましょう。まずば、自分の食べている油に関心を持ちましょう!
自分で食べている油について関心を持って生活することがトランス型脂肪酸摂取を減らすことになります。すぐにできることは、マーガリンを使用しない、加熱調理にはオリーブ油を使う、マーガリンや植物油を使用した加工食品は買わないことです。おまけ:マーガリン・ショートニングの作り方
マーガリンやショートニング(無水マーガリン)は、不飽和脂肪酸を多く含む室温で液体の植物性の油脂に化学的に水素を添加し、過熱処理して工業的に合成します。液体から固体の油脂となりますが、同時に生産中にトランス型脂肪酸ができてしまいます。実際、マーガリンやショートニングは多いものでは、その脂肪酸の10%以上がトランス型脂肪酸となっているものもあります。
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