大学生の就職活動/就職活動での内定から入社まで

内定式後に辞退してもよい?会社・企業へ伝えるべき時期とその内容

内定辞退はいつまでにすればいいのか?内定式後でも可能か?また、直接伝えるべきか、手紙を書くべきか、メールでもいいのか?そして自らが納得できる決断方法とは?内定辞退は学生のみならず、会社・企業側も労力を使うもの。就職活動を自分らしく乗り越えよ!

執筆者:見舘 好隆

内定辞退でやってはいけないことは?

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内定辞退こそ、君の真価が問われる。「辞退してくれて良かった」と思われる辞退をしちゃ駄目だ


内定辞退についてのこれまでの記事『【基本編】どう決める?方法は?就活における内定辞退』で、内定辞退の基本的なことや時期的なことを述べた。ここであらためて、内定辞退のタブーを再確認したい。ある意味、内定辞退は君が主役だ。しかし主役だからと言って横暴な行為や、怠惰な行為は慎まなくてはならない。

『本当に君に入社して欲しかった!』
『違う会社だけど、お互い頑張ろう!』

と言ってもらえる内定辞退を目指そう。

1.無意味に内定辞退を引き延ばさない
決断したなら、1秒でも早くだ。私が旅行会社の人事をしていた頃、こんな学生がいた。内定式当日、欠席した内定者がいて電話で確認したところ、「え、行かなかったら辞退と思っていただけると思って……」と言われて絶句。「辞退してくれてありがとう」と心底思った。あと、入社式当日、わざわざ研修所まで来て、内定辞退を告げた学生もいた。「お詫びも兼ねてお伺いした」とのことだが、事前に電話して欲しかった。

なぜなら部屋割りや食事の手配など、全て修正しなくてはいけないからだ。更にひどい例になると、内定式当日に親から辞退の電話があった。なんて学生に内定を出してしまったんだと、自らを情けなく思ったものだ(電話する親も親だと思う)。内定辞退は、1秒でも早くだ。もちろん、自分自身で電話するべし。

2.辞退の連絡は、担当者本人にまずは電話で
メールだけで済ますのはあまりに無礼。かといって手紙では遅すぎる。まずは電話で、そして後から手紙も添えるのが社会のルールだ。電話したものの担当者が不在だった場合も、伝言して終わりなんていうのは言語道断。その担当者が会社にいる時間を確認して再度電話をするのがマナーだ。

3.辞退の理由はポジティブに。辞退する会社のせいにしない
基本的には辞退の理由は「もう一方の会社を選ぶことによるポジティブな事柄」でなければならない。間違ってもその会社のせいにしてはならない。例えば、知り合いからよくない噂を聞いたとか、好ましくないニュースを知ったからなどのネガティブな事柄を理由にしてしまうと、礼を失することはもちろんその事柄を論理的に否定された時に反論することができなくなる。

あくまでも『御社にも惹かれましたが、考えた末に(ポジティブな理由で)他社を選びました』と答えるのがベターである。
 

説得力ある内定辞退理由は、友人・知人に語れるかで決まる

さて、辞退の電話をする前に、君は「辞退する理由」を親や友人、知人に胸を張って語れるだろうか? この問題が「内定辞退」に関わる問題の根幹であり、全てだとも言えよう。前述したが、まず大前提としてネガティブな理由での辞退はNG。もう一方の会社に行くことで得られるメリットを説明することが筋である。では、どうすれば良いのか?

基本的には志望順位の更新によって、まずは2社に絞るべきであろう。でもきっとどちらを選べば良いのか、壁にぶつかるときがある。例えば「A社はやりたいことができそう」だが「ベンチャーで安定性に欠ける」、B社は「大手・上場企業で安定している」が「やりたいことはできなさそう」など、どちらを選べばいいのかは本当にわからない。

ならば、その気持ちを選ぶ先の会社の人事にぶつけてみよう。その人事の対応で決める手もあるし、「社内を見せて欲しい」「先輩を紹介して欲しい」など、社内見学や先輩訪問を要求することに是非トライして欲しい。ベンチャーであれば、社長と話してみるのもいい。販売接客業なら、もう一度店舗に行って、お客様の視点でサービスを確かめてみるのも良いだろう。

つまり、とことんまで生の情報を自分の足で稼いで吟味するのだ。吟味すればするほど、選ぶ理由が見えてくる。選ぶ先の会社のポジティブな理由が手に入る。そうすることで、きっと友達はもちろん、今まで反対していたかもしれない親も、先輩訪問など協力してくれた先輩も、そして、辞退する会社の人事も納得してくれるだろう。
 

内定辞退の本質は、ギリギリまで自分を引き出す努力と相手を慮る力

大卒の就業者のうちの3割が3年以内に退職している。離職理由で最も多いのはミスマッチ、つまり学生がイメージしていた仕事と、現実の仕事の乖離が原因である。もちろん、働いたことがないのだから完璧にイメージと一致することはあり得ないし、企業もその会社のいい部分ばかりを強調してアピールするものだ。しかしながら、そのミスマッチを埋める努力を学生がしていたのだろうかと考えると、ミスマッチは企業だけの責任とは思えない。

昔は手書きで資料請求ハガキを書いた(腱鞘炎になる学生もいた)。当然、何枚も書けないので、書く前にある程度会社研究をして絞ってから書いていた。昔はインターネットが無いので、図書館や就職課の先輩資料をひっくり返して集めたものだ。会社訪問・先輩訪問は当たり前。逆にその作業なしに就職活動はできなかった。

しかし、昨今ではインターネットでの資料請求やエントリーが普通になった結果、リアルな会社に触れる機会が少なくなった側面がある。企業サイト・就活サイト、ブログやSNSなど、デジタルな情報だけで判断するようになってしまいがちだ。だが、それではイメージと現実のギャップは埋まりはしない。

リアルな会社にどんどん触れて、その会社の実態を知ることこそが結果的にいい会社選択に繋がるし、かつそのプロセス自体が自らを成長させてくれる。胸を張って「辞退する理由」を人に語るためにも、辞退する会社の人事担当者に笑顔でお礼を言えるためにも、心を砕き、自らを磨き続けなくてはならない。

ギリギリまで自分を引き出す努力と、相手を慮る力の両方が、就職活動には必要なのだ。

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