就職活動での内定から入社まで

更新日:2010年04月22日

入社承諾書提出後の内定辞退

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「入社承諾書」提出後でも、入社日前日でも内定辞退はできる。しかし、正直に今の状況を人事に打ち明け、正式な返事を待ってもらうのが筋だ。結局は法律の問題じゃない。あなた自身の生き方の問題なんだ。

入社を書面で約束したのに辞退したら、損害賠償??

今回はユーザー(F子さん)から届いた内定に関する質問だ。

「今回は内定後の質問です。A社に内定が決まり、内定を受けると電話で連絡を取った後に、「入社承諾書」が送られてきました。しかし、ここに来てB社をどうしても受けたくて履歴書を送り、数回の面接と筆記テストを受けることになりました。もしB社が受かり、自分も会社の雰囲気など気にいった場合は、確実にB社に入社することになると思います。

さて、「内定承諾書」を提出の後に辞退をするのが可能だというのは、過去の記事からもわかりますが、「入社承諾書」はどうなるのでしょうか。文中に『貴社に入社することを承諾し、今後正当な理由なく辞退いたしません。』とあります。文章上、これはとても重いような気がします。

素直にA社にこの書類の提出を第一志望の結果が出るまで待ってもらう方が良いのでしょうか。それともとりあえず出しておいて、後から「正当な理由」として他社に行くことにした、と言っても(もちろん不謹慎ですが)法律上は問題ないでしょうか?」
※原文を若干調整しています。

就職本や就職サイトでは「損害賠償を求められる」と書かれている場合がある。恐ろしい。さて、「入社承諾書」はどこまで拘束力があるのだろうか? 一緒に考えてみよう!

「内定承諾書」「入社承諾書」も法的効力はありません

知り合いの社会保険労務士は語る。

「正社員採用で途中で辞めることと、6ヶ月契約のアルバイトを途中で辞めるのと比べたら、アルバイトのほうが辞めることが簡単だと思っている人が多いけど、大間違い。正社員の方が辞めることが自由なんだ。」

もうお気づきの通り、正社員採用に「雇用契約書」は存在しない。つまり「定年60歳まで雇用を契約する」ことは法律的にできないのだ(包括的雇用契約)。よって、正社員はいつだって辞められる。

逆に6ヶ月契約のアルバイトであれば、きっと「雇用契約書」は存在する。こっちのほうが契約書にもし途中で契約破棄した時の賠償が書かれていることがあって、損害賠償を請求される場合があるのだ。

今回の場合、そもそも、まだ入社もしていない。F子さん専用のパソコンと机を買ったとか、社宅を建てたとか、一流の社員研修講師を雇ったなど、F子さんが入社を辞退することで致命的な損害を被るとは思えない。かかるとすればもう一度採用活動をする経費だけだが、1人2人の内定辞退は想定しているはずだ。よって、念のため知り合いの社会保険労務士の先生に確認したけど、「内定承諾書」「入社承諾書」を書いたとしても、何も拘束力はないし、損害賠償を請求されることはまずないと言っていいでしょう。

しかし、道徳的というか、「F子さんとしての誠実な生き方」は重視すべきだ。というわけで、F子さんが取るべき道は、記事「内定辞退についての考察【基本編】」「内定辞退についての考察【時期編】」「内定辞退についての考察【タブー編】」で書いたとおり、ギリギリまで交渉することが大切だ。

どっちみちB社から内定が出ればA社の内定を辞退をするわけなのだから、せめてA社に心の準備をさせる配慮があっていい。極論すれば入社日前日に辞退でもいいのだけど、それはF子さんとして、そして採用担当者個人に対してひどいよ。よって、今の心の状態を採用担当者に会って相談し、ギリギリの期限を設定してもらおう。もちろん「就職活動をするなら、内定を取り消します」なんてことを言う会社もあるかもしれないけど、その時はその時で、とりあえずもらっておけばいい。結果、辞退することになっても、ちゃんとその理由を語ることができれば問題ない。

結局は法律の問題じゃない。「F子さんとしての生き方」の問題なんだ。

※記事「内定辞退についての考察【基本編】」「内定辞退についての考察【時期編】」「内定辞退についての考察【タブー編】」を必ず読んでね。

※包括的雇用契約は、期間の設定は無い。しかし例えば転勤や職種変更が伴う異動(企画から営業など)の命令は正社員は拒否できないのだ。嫌なら、人事と相談するか、辞めるしかない。

※逆に社内制度で留学して帰国後すぐ会社を辞めた場合、会社はその留学費用を請求することができる。最近では「留学後は○年間働かないと留学費用を返済する」ことを事前に一筆書かされるそうだ。

※ちなみに欧米では「ジョブディスクリプション」という職務内容を記述した文書があって「仕事の内容」とその報酬が定義されている。よって入社前にどんな仕事をやっていくらもらえるのかを完全に把握することができる。日本じゃ入社前に初任給は分かっても仕事の内容は分からない。

(執筆者:見舘 好隆)

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