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決算を楽に終わらせる1-原因究明編-

「経理の仕事のメインイベント」と言えばもちろん「決算」でしょう。「毎年必ず来ると分かっているのに何故か毎年苦労の連続……」そんなあなたに「決算攻略法」を伝授します。今回はまずその原因を探っていきます。

執筆者:森 康博

そろそろ決算作業の時期ですが……?


4月も下旬にさしかかり、世の中では「ゴールデンウィーク」に突入しました。新緑もまぶしく、みんなが何となく浮かれ気分のいい季節。
でも、経理の仕事をしている方の中には心の底からゴールデンウィークを楽しめない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この季節は、決算が集中すると言われている3月決算法人の決算作業が佳境に入ってくるからです。通常の会社であれば、決算日の翌日から2ヶ月以内に法人税等の申告をしないといけませんから、ゴールデンウィークが明けると申告期限までひと月を切ってしまいます。

決算というと「大変でつらく、時には徹夜もしないといけない」というイメージですよね(私の周囲では「3T」なんて言っているところもあります)。
でも、中にはそんなに苦労せずに決算を組んでいて、しかも同じ3月決算の会社でもゴールデンウィーク前には決算がほぼ固まっているところもあります。

これらの会社には、どんな違いがあるのでしょうか?
今まで苦労していた決算が少しでも楽になればステキだと思いませんか?
しかも早く終わるなんて!

今回から数回に分けて「決算を楽に終わらせるにはどうしたらよいのか」をテーマに、おはなしを進めていきます。

なぜ、決算で苦労するのか?

うーん
決算って辛いイメージをお持ちの方が多いはず。でも、それには必ず「原因」があるのです。

決算で苦労するのは、それなりの理由があるはずです。詳細な原因は会社ごとに色々あるでしょうが、ここでは私がよく見聞きする原因を挙げていきます。

■ 決算までの数字が上がるのが遅い

これが1番良く聞く理由です。「会計ソフトに伝票の入力が出来ていない」「取引先から請求書がこない」あるいは「他にも支払いなどがあり忙しい」等々様々な理由があるかと思いますが、結果として決算数字がなかなか上がらないので、その分決算作業に割く時間が短くなってしまいます。

■ 決算で何をすればよいのか分からない

実はこれもよくある理由。そもそも決算で何をしてよいか何となくしか分からないので、決算にどれくらいの時間をかけてよいものか分からなく、結果として時間に追われて決算を組むことになることがあります。

■ 決算までに知っておくべき情報を仕入れていない

これも「何をすればよいのか分からない」といった理由と似ています。「決算ですべきこと」は、基本的に毎回の決算で共通しています。でも、その中には「決算ごとに異なる」ことも含まれていたりするのです。具体的には、会計の仕組みの変化や税制改正がこれに当たります。
いつもどおりの決算を組むノリで決算の予定を立てていると、「いざ決算」となったときに予定外の作業が増え、結果的に決算が大変になってしまいます。

では、これらの原因を解決していくには具体的にどのようなことをしていけばよいのでしょうか?

次のページで具体的な対策をご紹介します。
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