転職のノウハウ/転職活動の面接対策

面接時の転職・退職理由をクリアする

ほとんどの人が不平不満を基に転職を決断したはずですが、面接でこの不平不満をストレートに伝えないほうがよいです。では、どうやって、この退職理由をクリアしていけばいのでしょうか。

執筆者:西村 吉郎

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ほとんどの人が不平不満を理由に転職

厚生労働省が雇用実態調査の結果(2013年若年者雇用実態調査)、民間企業で働く若手社員の4人に1人が「転職したい」と考えていると発表しました。転職を希望する理由は、労働条件や賃金への不満がトップで、その次に「自分に合った仕事がしたい」「自分の能力を生かしたい」といった、やりがいや自分らしさを求める項目が続いています。

以下は、会社をやめた主な理由。
労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(22.2%)
人間関係がよくなかった(19.6%)
仕事が自分に合わない(18.8%)
賃金の条件がよくなかった(18.0%)
会社に将来性がない(12.4%)
ノルマや責任が重すぎた(11.1%)
これから見ても、ほとんどの人が何らかの不平不満で退職していることがわかります。

中途採用の面接では、必ず「あなたはどんな理由で転職しようと思ったのですか」といった質問で、転職の理由を聞かれることになりますが、このデータにあるような理由をそのままストレートに伝えたとしても、採用担当者は決して納得はしません。いまの(前の)勤め先がどんな環境にあって、上司や同僚がどういう人たちなのかなど本当のところを知り得ない立場にあるため、一方的に不平や不満をぶつけられても、それが正当な批判かどうかを判断することはできないからです。
具体的に、それぞれの退職理由について、人事担当者がどんな疑問をいだき、どこをチェックしようと考えるのかを整理しておきます。

●仕事に面白みがない、発展性がない
→仕事に取り組む姿勢はどうだったか。しっかりした仕事観を持っているか。飽きっぽい性格ではないか。自分の適性を認識しているか。希望の仕事に異動できなかったのはなぜか。
●労働条件がよくなかった(残業が多いなど)
→甘え心はないか。仕事がもともと嫌いなのではないか。「となりの芝生は青い」と思っているだけではないのか。
●会社の将来に不安を感じた
→どこまで経営状況を把握していたのか。上司との関係はうまくいっていたのか。どこにいっても不満分子になるのではないか。
●人間関係がうまくいかなかった
→誰とでもうまくやっていけないタイプなのではないか。性格的に短気で、キレやすいのではないか。社交性や協調性に欠けるところはないか。
●賃金が低かった
→低いと判断する基準は何か。能力がないからこそ結果として低いのではないか。

人事を納得させる退職理由の述べ方

どんな会社でも、万人に満足のいく環境が備わっているわけではありません。ですから、なんらかの不平不満を理由に転職する人に対しては、採用しても同じような理由で仕事への意欲をなくし、場合によってはすぐに辞めていかれるのではないかと不安になります。採用に二の足を踏みたくなるのも当然といえます。
では、面接で転職理由を聞かれたとき、どのような答え方をすればいいのでしょうか。それぞれの転職理由について、採用担当者を納得させるためのポイントを考えていきましょう。

●満足のいく仕事ではなかった
この理由では、なぜ満足いかなかったのか、満足いく仕事とはどういうものか、などとたたみかけて質問されることになるでしょうが、いずれにしても、仕事に満足するかどうかは、取り組み方の問題と考える人事担当者が多いようです。いいかげんな仕事だから上司や同僚も評価しない。結果として給与も地位もあがらない。ますます仕事へのやりがいをなくす、という悪循環に陥っているのではないかと疑うわけです。

どんな仕事であっても、どうすればより合理的で効率が上がるかの工夫のしどころについてはキリがないといわれます。いいかえれば、どんな仕事でも全力投球すればするほど面白みが出てきて、がんばっていることを周囲も評価するようになり、その評価に沿ってより責任と権限の大きな仕事が任されるようになるという具合に、好循環が生まれてくるというわけです。給与も当然アップしていくでしょう。

この退職理由を挙げるときは、自分の仕事についてどんな考えを持っているのかを明確にしたうえで、仕事にはまじめに取り組んできた、企画の提案など環境改善の努力もしたなどと飽きっぽい性格ではないことを説明しなければなりません。
また、自分の能力や適性が生かされていないと考えてのことなら、与えらている仕事では満足できないだけの能力や実力を備えていることを、客観的な事例やデータで示す必要もあるでしょう。

●給与や労働条件に不満
「賃金が低い」という理由は、現実に、いまもらっている給与が世間相場からみて相当に低いという水準にある場合なら、正当な理由として納得してもらえるでしょう。しかし、全社的にみれば世間並みの給与水準なのに、それでも給与が低いという人には、人事担当者としては本人の能力や勤務態度の面で給与が低く抑えられているのではないかと、別の角度から質問してくることになります。

いまは、仕事内容や年齢、入社年次が同じでも、能力次第で給与に格差がつけられる時代です。能力を正当に評価する仕組みを持った会社なら、賃金は実力を反映しているものといえます。賃金への不満を述べるときは、それを要求するだけの能力があることを合わせて相手に納得させる材料を示さなければなりません。

労働条件に対する不満のうち、「残業が多くて」という理由では、実際にどれくらいの残業をしているのかを尋ねられることになります。体調をこわすくらいにハードな勤務になっているなら、人事担当者も納得してくれると思いますが、1日1~2時間程度の残業は応募先の会社でもあるかもしれません。残業は嫌いなんだと受け取られるような言動は禁物です。

●会社の将来性に不安を感じた
具体的に、会社が倒産の危機に瀕しているとか、整理解雇が始まったなどの事実がある場合、この理由は転職の理由として妥当と受け止められるでしょうが、漠然と、会社の経営や上司の方針に疑問を感じたといった程度の理由では、人事担当者は身構えてしまいます。というのも、会社の経営方針や上司の指示に対する不満はどこの会社でも起こりうる問題だからです。

会社という組織に身をおく以上は、仕事の進め方や考え方などは一定のルールに従うことが要求されます。それが非合理であるというのなら、上司と相談してよりよい方向を探っていけばいいはずです。会社の経営方針に関する疑問についても、上司とじっくり話し合うことで解決できることも多いでしょう。したがって、この退職理由では、上司とうまくコミュニケーションをとっていける人なのかどうかも探られることになります。

会社の将来性に不安を感じたという理由で転職する人は、上司を通じてどれだけ経営の状態や経営方針の真意をつかんでいたのかをはっきり説明することがポイントです。そのうえで、どんな点に疑問や不安を感じたのかを第3者である人事担当者にも理解できるよう、事実をもとに説明します。その問題がどんな会社にも普遍的に存在するものではなく、あくまでも今の会社特有の会社であることを伝えられれば納得してもらえるでしょう。

●人間関係がうまくいかなかった
この退職理由はもっとも嫌われます。たとえ、うまくいかなかった状況について具体的な説明を受け、相手が間違っていることが理解できても、同じような場面になったら、今後も何らかのトラブルを起こすのではないかと心配が先に立ってしまうからです。会社が組織で動いている以上、調和を乱す可能性がある人を避けるのは当然でしょう。

できることなら、この理由を退職理由とすることは避けたいところですが、どうしてもこのこと以外では説明できないという人は、トラブル相手に対するウラミツラミにならないよう、客観的かつ冷静に事実を述べるにとどめましょう。そのうえで、穏当におさめられなかったことを反省するとともに、他の同僚などとの関係を説明して、決して協調性に欠ける一匹オオカミではないことを説明すべきです。

表現を工夫してポジティブな退職理由に

倒産など会社の事情で退職した場合はともかく、個人的な事情による退職理由はなかなか真意を伝えにくいものです。下手すると、いまの状況に対する泣きごと、責任転嫁ととられて、応募先の人事担当者に不愉快な思いをさせてしまう結果にもなります。

しかし、不平不満をもとにした退職理由でも、表現を変えるだけでポジティブな姿勢を表わすことは可能になります。たとえば、それぞれの理由を以下のような説明の仕方に変えるわけです。
・満足のいく仕事内容ではなかったから
キャリアアップのためにより領域の広い仕事に就きたいと考えるようになった
自分が追求したい仕事がいまの職場では得られない
日々新しい知識や技能に触れて自分が成長していると感じられる仕事をしたい
・労働条件や待遇がよくなかったから
オーバーワーク気味で、勉強する時間がとれなかった
能力や実績を正当に評価してくれる環境で働きたいと考えた
・会社の将来に不安を感じたから
余計な心配をせずに思い切りがんばれる環境で仕事をしたい
意見やアイデアを十分くみ取ってもらえるような風通しのいい職場で働きたい
・人間関係がうまくいかなかったから
お互いに切磋琢磨しながら成長できる上司、仲間がいる環境で働きたい

要は、自分なりの目標を実現するためのステップアップを目指しての転職であることを前面に押し出すことです。ここにあげたのはあくまでも例ですから、それぞれご自分の退職理由に沿って、回答の仕方を工夫してください。

退職理由は志望動機の裏返しです。新しく求める会社や仕事に何を望むのかを整理し、その希望を満たすための転職であると考えれば、より前向きに退職理由をとらえることができるのではないでしょうか。

(以下、追記)
サイトオープンをしてから約2週間、退職理由についての「あなたの一票」をお願いしました。その結果は、「上司(同僚)と険悪になった」29%、「知人に誘われた」13%、「ダウンサイジングのあおりで」10%、「その他」48%という結果でした。選択肢が少ないだけに、その他が多いだろうことは予測していましたが、人間関係に起因する人も予想外に大きな割合になりました。なかなか真正直には答えにくい退職理由ですが、この理由を選んだ人のうち、周囲と衝突したことが転職を決断するきっかけにはなったが、転職を考え始めたのはもっと以前からだという人は少なくないはずです。周囲とうまくいかなくなった背景に、単に性格的にそりが合わないというだけはない、何らかの事情があるのではありませんか。もしそうであれば、人間関係がうまくいかなかったことはあえて理由としてあげなくてもいいと思います。転職を考えるようになった本当の理由をしっかり認識して、面接官に納得してもらえる退職理由を工夫してください。

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更新日:2014年04月01日

(公開日:2001年05月08日)

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