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9条以外の憲法改正問題

憲法改正がいろいろとりざたされていますが、あの9条だけが憲法問題ではありません。今回は「9条以外」の憲法問題にスポットをあててみました。

執筆者:辻 雅之


(2003.11.17)

1ページ目 【どうやったら憲法改正できる?】
2ページ目 【私立大学への補助や助成は憲法違反?】
3ページ目 【憲法審査を拒否できる「憲法の番人」って】

【どうやったら憲法改正できる?】
憲法改正の国民投票、具体的方法いまだ決まらず


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自民党は、この間の衆議院総選挙のときに出した「マニフェスト(選挙公約)」で、「2005年までに憲法改正草案を作る」とはっきりいいました。

そのため、これからの小泉政権では、憲法改正についての論議もさかんになっていくことでしょう。10年前は「憲法改正はタブー」とみられていたのですから、時のたつのは、早いものです。

さて、憲法改正というとおそらくほとんどの方が「あの9条を改正するのか」と思われるでしょう。戦争の放棄というすばらしい理念を定めている反面、自衛権についてはあいまいでよくわからない9条。憲法改正論議でも、この9条問題が一つの軸になることはいうまでもありません。

しかしですね、ほかにも問題といわれているところはいろいろあるのです。9条をなんとかすれば憲法問題は終わり、というわけではないのですね。

そこで今回は、9条以外の重要な問題のある条文について、解説をしてみたいと思います。

その前に、憲法の改正って、どうやって行われるかわかりますか? 普通の法律なら、国会で衆議院と参議院が決めれば改正できますけど、憲法はそうはいきません。

日本国憲法 第96条1項
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。


つまり、衆議院と参議院の総議員の三分の二以上の国会議員が改正に賛成しなければなりません。ちなみに、ふつうの法律案などの議決は総議員のうちの何人かではなく出席議員のうちの何人かでいいので、これだけでも条件は厳しい。さらに過半数ではなく、3分の2以上の賛成が必要なのも、厳しいといえます。

そして、これによって国会が国民に「発議」つまり提案し、国民がそれを承認するかどうか国民投票によって憲法改正を決めることになるわけです。

このように、憲法改正がたいへん難しいシステムになっている憲法のことを難しい言葉で「硬性憲法」といいます。反対は「軟性憲法」ですね。

ちなみに、憲法改正の国民投票をどうやって実施するか、具体的な法律はまだありません。賛成、反対の運動はどこまで許されるかなど、決定しなくてはならない問題点も多いところです。

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