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私的価値と資産価値のバランスをはかる 自慢の風呂が家の価値を下げる?(2ページ目)

あまりにも自分の好みを優先させてしまうと、資産価値をさげてしまうことがあります。私的価値と資産価値のバランスについて考えてみようと思います。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

客観的に判断してバランスを保つ

バランスを考えてプランニングするということは、自分の希望をすべてあきらめたほうがいいとか、無難な間取りにしておいたほうがいいということではありません。あくまでもバランスです。自分の要望が一般のケースとどれほどかけ離れたものなのか、客観的に判断できるかどうかが大切だと思うのです。

自宅を売却することになった場合に、売却額が下がるかもしれないことを理解したうえで、自分の好みを優先するのであればかまわないと思います。つまり、私的価値と、一般的な価値が一致しないことがあり、自分が考えているカタチは一般的な要望とどのくらい距離があるのかを知っていればいいと思うのです。


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資産価値を考えに入れて、プランを決めたり、メンテナンスをしていきたいものですね

バランスを考え、折り合いをつける

自分の希望をいかすにしても、バランス感覚が必要だと説明しましたが、具体的にはどのように折り合いつけたらいいのでしょうか。それは、自分の希望を反映させるにはそのカタチ(設計)しかないのかということをよく考えてみること。そうすると、折り合うポイントが見えてくるのではないかと思います。

例えば、Sさんのように、くつろげるお風呂をつくりたいと考える人は多いでしょうが、4畳半と広い(広すぎる?)浴室をつくるのではなく、広く開放的な雰囲気が味わえるように出窓をつくるとか、洗面室とのつながりを壁ではなくガラスにして実際の面積以上に広さを感じさせるなどの工夫をするというのはどうでしょうか? Sさんの希望もある程度かなえ、一般の人たちにも受け入れられるプランになると思います。

自分の希望や好みを押し通す前に、自分の希望をどのくらい反映させるのか、私的価値と資産価値のバランスを、ちょっと冷静になって考えてみるとよいですね。

最後に、Sさんの場合は浴室でしたが、私的価値と資産価値のバランスを考えなければならないのは、部屋の配置や広さなど、ゾーニングに限らないのです。外観デザインやインテリアのテイストなど、いろいろな面に同様のことがいえると思います。特殊な色の外観の家とか、非常に珍しいインテリアに仕上げた家は、だれにでも受け入れられるものではないかもしれませんね。

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