照明・LED/照明器具・間接照明の基礎知識

ダイクロイックの光の魔術(2ページ目)

ダイクロイックという言葉を聞いたことがありますか?少し専門的ですが、電球やフィルターに使用され、照明には欠かせないテーマです。今回は光を自在に操るダイクロイックを簡単にご説明します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

ダイクロイックフィルター


写真3.ダイクロイックフィルター(赤色と青色のフィルター)
ダイクロイックとは、ガラスなどの表面に特定の波長域を反射もしくは透過させる多層膜をコーティングしたものです。異なった方向から透過光を見ると違った波長(色)が見えます。

光には短波長の紫外線・目に見える可視光線・長波長で熱を感じる赤外線が含まれています。可視光線の波長域は虹を想像していただくと分かりやすいかと思います。ダイクロイックはその光の波長の中から特定の波長域を選ぶことができるのです。


写真4.3枚のフィルターを重ねてカラー演出
この原理を利用すれば特定の色光を透過するダイクロイックフィルターもでき、現に市販されております。私も何度かダイクロイックフィルターを使用してライトアップを設計したことがあります。以前、今までにない特別に色のフィルター作ってもらい、投光照明を行いました。フィルターは高価なものですが熱にも強く、対象を美しく浮かび上がらせることができました。
  
このダイクロイックフィルターを重ね合わせて使用すると反射と透過の色によって、思わぬ色の変化が楽しめます。このような効果を利用して演出照明として実践されているところもあり、ダイクロイックの威力や魔術を知ることができます。


写真5.ダイクロフィルターの冠状オブジェ(ミュンヘン空港)
ドイツのミュンヘン空港のロビーで見たのですが、四角のダイクロイックフィルターをクラウン型構成して、集光性のある投光器で反射・透過させることでロビーの床面に光のパターンが映し出されます。 

たまたま私がこれを見たとき、2灯の投光器のうち1灯が消灯になっていたので、色の重なりあいがなく、思っていたほどの効果になっていませんでしたが、もし2灯付いていたらと想像するだけでわくわくします。


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