マンションの性能・耐久性

更新日:2007年08月01日

長持ちマンション、短命マンション

これからはメンテナンス&リフォームで手を入れながら、同じ住まいに「長く住む」時代です。そこで今回は、長持ちするマンションとはどういったものかを主に構造面から探ります。

コンクリートの水セメント比とかぶり厚さ

鉄筋のかぶり厚さ
品確法では鉄筋を保護するかぶり厚さと水セメント比の組み合わせで長持ちする基準が決まっています。
2世代長持ち(おおむね50~60年)するためには次のような組み合わせが基準となっています。例として耐力壁を上げます。部位により基準は異なります。
■水セメント比55%以下+最小かぶり厚さ40ミリ以上、または水セメント比60%以下+最小かぶり厚さ50ミリ以上

3世代長持ち(おおむね75~90年)するための基準
■水セメント比50%以下+最小かぶり厚さ40ミリ以上、または水セメント比55%以下で最小かぶり厚さ50ミリ以上

2世代長持ちするコンクリートと3世代長持ちするコンクリートを比較すると、同じかぶり厚さの場合で水セメント比が5%小さくなっていることがわかります。水セメント比を5%少なくすると25~30年も長持ちすることになり、水セメント比がコンクリート強度に重要なポイントとなってくることがわかります。

長持ちする外壁の種類

それでは別の観点から、コンクリートが長持ちするポイントを見てみましょう。それは外壁の仕上の種類です。外壁の屋外に面する仕上げが、タイル張り、モルタル塗り、外断熱工法による仕上げなどの場合、かぶり厚さが1センチメートルあると同程度の保護力があるとみなされます。外壁がタイル張りのマンションは高級感がありますが、長持ちという視点からも効果があると言えますね。なお、吹きつけタイル、リシン吹きつけなどは有効な仕上げとみなされません。

住宅性能表示制度で長持ち度が一目でわかる

設計住宅性能評価のマーク
設計住宅性能評価のマーク。このマークがあったら「劣化対策」がどれだけ取られているかわかります!
今まで述べてきた長持ちするマンションの条件は、住宅性能評価を受けているマンションでは一目でわかるようになっています。住宅性能表示制度の「劣化対策」項目で、「等級2」が2世代長持ちする条件を、「等級3」が3世代長持ちする条件を満たしています。ちなみに「等級1」は最低の基準である建築基準法を守った仕様のものとなります。

このように、住宅性能表示制度を利用しているものは、マンションの目に見えない大切な部分をきちんと格付けし、購買者にも一目でわかるように表示されています。

マンションを選ぶ際にはこのマークがついているかどうか、ついていたら長持ちするマンションかどうか、ぜひ確認してくださいね。

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井上 恵子

マンション設計に携わった経験を数多く持つ一級建築士が、住まいの性能を解説。

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