不動産売買の法律・制度/不動産売買の法制度

窓を開ければ……隣家のお部屋!(4ページ目)

せっかく買うなら綺麗な夜景が見える部屋!と思っても、現実は窓を開けたらお隣さんの壁や窓しか見えないなんてこともあるでしょう。隣家との間隔について、都市部の住宅実情とそのルールを写真を交えて解説します。(2014年改訂版、初出:2003年7月)

執筆者:平野 雅之


未完成物件を購入するときは?

住宅の基礎

2棟の基礎の間隔は30センチほど(建売現場)

マンションの未完成物件では、間取り図で角部屋になっていても一方向の窓からは眺望がないこともあります。建物配置図なども併せてチェックするとともに、必ず現地で隣地建物の様子を確認したいものです。

建売住宅の場合に現地を見ずに購入することはあり得ないでしょうが、この場合も外壁が立ち上がっていない段階では建物の配置を入念にチェックすることが欠かせません。


隣地の建築に不満な場合は?

建売予定地

手間の空き地は建売予定地。もうすぐ眺望がなくなる出窓

隣地で新しく建築工事が行なわれるとき、その区域が防火地域または準防火地域に指定されていないなら、民法の原則に従って敷地境界線から50センチメートル以上離すように申入れをすることができます。

ただし、建物が完成してしまったり、未完成でも着工後1年を経過すると変更工事の要求はできず、若干の損害賠償請求に留まることになります。

当然ながら、先に建っているお隣さんへ文句を言うことはできません。


どうしても隣地の建物と接近するのがイヤな場合は?

隣地のことを考える必要のない広い土地ならばともかく、普通は隣地が気になるものです。どうしても隣地の建物と接近するのがイヤな場合には、物件選びの段階で次のような条件をチェックしましょう。

  準防火地域または防火地域に指定されていない土地
  第1種低層住居専用地域または第2種低層住居専用地域内で、外壁後退距離が定められている土地
  風致地区内の土地
  建ぺい率が低め(おおよそ50%以下)で、ある程度の面積を有する土地(隣地も狭小土地ではないこと)
  マンションの場合には、超高層(タワー)物件やある程度規模の大きな物件

とは言ってもなかなか思うようにならないのが大都市圏の家です。郊外に住むのでない限り、ある程度の割り切りは必要でしょう。

結局のところ、いちばん大切なのは隣近所と良好なコミュニケーションをとることです。


page2 ≪民法ではこうなっている
page2 ≪建築基準法ではこうなっている
page3 ≪なぜ民法と建築基準法とが異なる?
page3 ≪隣家の密接は悪いことばかりとは限らない!?
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page4 ≪どうしても隣地の建物と接近するのがイヤな場合は?≫


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外壁の後退距離と壁面線の制限
マンション隣の空地は守られる?
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