不動産売買の法制度

更新日:2005年11月18日

市街化調整区域の土地でも家は建つ!?

市街化調整区域では、原則として新築を建てることはできませんが、例外的に許可される土地(既存宅地)もあります。しかし気をつけるべき点がいっぱい。安いからといって安易に購入することは考えものです。


都市計画法による 「既存宅地」 の制度は廃止されたものの、この制度に代わる救済措置を維持しようと、それぞれの自治体により独自の基準を設けるところが多くなっています。それらの基準に合致する宅地では、都市計画法による許可 (開発審査会による許可) が受けられ、建築確認も下りることになります。ただし、建物の用途や規模などについては比較的きびしい条件が付せられるケースが多いでしょう。

市街化調整区域
都市近郊では、市街化調整区域内の土地が道路施設用地となることも多い。
しかし、注意しなければならないのは、たとえ自治体の基準に合致している宅地だとしても 「都市計画法による許可が100%約束されるものではない」 ことであり、このような土地を購入するときには 「一定期日までに建築確認を取得することができなければ白紙解除する」 という旨の特約条項を売買契約書に盛り込んでもらうことが重要です。そして、売買契約を締結した後、速やかに建築確認の申請ができるように準備しておかなければなりません。

さらに、住宅ローンを利用する際にも注意が必要。金融機関によっては融資をしなかったり、かなり減額されるケースもありますから、売買契約書の中での 「融資利用の特約」 を明確にし、曖昧さを残さないようにしなければなりませんね。

また、今回は建築確認を受けられてその土地の購入に至ったとしても、将来の建替え時にはどうなるのか分からないというリスクを抱えていることも理解しておかなければなりません。数十年後に売却しようとしたとき、売るに売れないという事態に陥ることもあり得るのです。自治体によっては、 「従来から所有している人やその関係者ならば建築を許可するけれども、その土地を購入した第三者には許可しない」 という場合も考えられるでしょう。

道路
市街化調整区域内では、道路の歩道整備も遅れがちで危険なことも。
さらに、敷地の周辺が公道だとしても自治体による舗装や整備が後手に回りがちなこと、あるいは下水道をはじめ生活に欠かせないインフラの整備などで、市街化区域ならば自治体が負担したり助成したりする工事でも、個人の全額負担とされるケースがあることなどにも注意が欠かせません。幹線道路の歩道整備なども市街地より遅れがちであり、危険箇所が多く残されていることもあるので慎重な事前調査も重要になります。また、河川の流れに沿って線状に市街化調整区域が指定されているような場合には、水害の危険度が高かったり地盤が弱かったりして居住に適さないエリアであることも考えられます。

市街化調整区域ならば周囲に高い建物が建つ心配もあまりなく、静かな自然環境を維持しやすいメリットがありますが、逆に市街化区域内での立地に適さない施設などが建設されることもあり、単純に判断することはできません。また、虫が多くて衛生面に問題があるケース (下水道整備や水路管理が行き届かない) や、整備の遅れた道路に廃棄物が散乱したままになっているケース (清掃が行き届かない) 、田畑に続く道路が駐車場代わりになっているケース (取締りが少ない) などもあります。

一般の (市街化区域内の) 土地よりも安いという大きなメリットはありますが、たいていは不便なエリアであり、近くにコンビニなどができる可能性も低いでしょう。価格だけで判断せず、さまざまな要素を基にして総合的に考えてみる必要がありそうですね。なかには市街化区域に隣接し、ほとんど不便さを感じさせないようなところもありますが・・・。

なお、もし媒介業者から 「都市計画の見直しで近いうちに市街化区域へ変更されます」 などと説明された場合には、それを鵜呑みにすることなく、自分で役所などへ行って調べてみることも重要です。



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平野 雅之

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