忘年会の勢いでバーに行くな
5~6人が座れるテーブル席であっても、大騒ぎしないで穏やかに |
政治、経済、何事も未熟成のモルト原酒のようにピリピリと辛い味わいだ。はたしてよい熟成が見込めるのか、期待感さえ抱けない。こんな時こそパッと行こうぜ、と軽快な記事を書きたいのだが世の中すべてがなんだか自粛ムードに沈んでいる。バーや飲食店経営者の皆さんに聞くと、「忘年会は一次会で終わり。短い夜がつづく」とこの年末を嘆く。
ただいくら沈んだ世でも二次会に流れる人はいる。最近目立つのが、雑誌に取り上げられていたバーに行ってみようと、ひとりでは行けないものだから仲間と忘年会の勢いそのままで行っちゃう人たち。
スタンダードなバーは4人、5人といった人数の客はお断わりというところが多い。静かにじっくりと酒を味わってもらうためには喧噪は邪魔となる。だがいまの社会状況、仕方なく入れてしまうバーもある。そんなバーはもちろんいけないが、飲み手のわたしたちもそのあたりのマナーは守らなくてはならない。
バーは居酒屋ではない。そして仕事仲間や上司の悪口をいうところでもない。ゆったりといい酒を味わい、非日常に身をゆだねるところだ。
決して、忘年会の勢いをバーに持ち込むことのないように。
いまこそバーを知るとき
さてクリスマス、新年を控えたいま、皆さんそれぞれの思いを持って店選びをされていることだろう。どんな料理をどんな店で味わい愉しもうかと思案中の方、とくに女性にお願いしたいことがある。女性のほうがここぞというときの愉しみ方、お金の遣い方が上手い。料理を満喫した後、是非バーへ足を運び、おいしいカクテルやウイスキーをじっくり堪能していただきたい。バーというところはいつも優しい。だってテンダーと名の付く人がいるんだもの。でも今冬はいつもよりもっと優しいと思うよ。もしかして一生の付き合いができるようなバーに出会えるかもしれない。
バーの効用は以前書いたが、気の置けない友人と、恋人としっとりとした時間をバーで過ごしていただきたい。とくにクリスマスは食事の後に是非バーへ。いつもとちょっと違う時間を過ごし、そして美しく奇麗な飲み方をこの時期に身につけていただきたい。では次頁でわたしのおすすめのカクテルを紹介しよう。
(次頁へつづく)