小さな戸口に大きな焼き場
魚と野菜がメインの炉端焼の店でウイスキーが飲まれている。とても喜ばしい。東急東横線の中目黒駅からほど近い、山手通りを池尻方面に向かい、りそな銀行のある角を左に折れてまもなくのところにその店の看板が見える。店名は『なかめのてっぺん』。なんだか威勢のよさそうな名だが、実際えらく活気あふれる店だ。で、あるが、看板を見つけてこのビルの中にあると確信しても、ちと戸惑う。なんてったって入り口が小っちゃい。茶室とまではいかないが、随分と腰を屈めて入らなくちゃならない。
そんでもって一歩足を踏み入れると、活気とともに焼き物のいい香りがたちまちにして感じ取れる。このギャップが面白い。
店内は45席あるがいつも満席。予約をおすすめする。 |
腰を屈めてよいこらしょ、と入って店内に立つと、いきなり目の前に焼き場があるカウンターが登場する。備長炭の熱が魚介や野菜をいぶしている。
カウンター席に着いて、まずオーダーしたのがシングルモルトの白州10年(¥680)のハーフロック。私は食事とともにウイスキーを飲む時、ほとんどが白州。フルーティな甘さとかすかなスモーキーさは、いろんな味付けの料理と合わせやすいような気がする。
とはいっても白州の香味は万能ではないし、人の味覚は千差万別だ。時には山崎10年や響17年のハイボールってこともある。心の奥底には角瓶のハイボールなら、大概の食と合う、といった思いも持っている。
まあ、とにかく白州10年をいただいた。さて、何を焼いてもらったか。これは次のページで語ることにする。(次ページへつづく)