京都グルメ/京都のフレンチ

エピス(京都・出町柳)

京都御苑すぐ傍のフレンチレストラン。築100年以上の町屋を使っていますが、こちらの特徴は、生産者の顔が見える野菜。当たり前のことをこなした上で、その先を目指す若手シェフの、新生レストランです。

執筆者:渡部 功平

シリーズ-趣のある建物 その1

今回ご紹介するのは、京都・出町柳駅から西へ徒歩6分ほど。地元の方は散策に、観光の方もたくさん訪れる人気スポット、京都御苑の東側にあるフレンチレストラン「エピス」。07年の8月にオープンしたこちらは、築100年以上という町屋を改装し、町屋には珍しく耐震強度設計まで施しています。


いきなりですが、「町屋フレンチ」っていうと、皆さんどんなイメージを思い浮かべますか?

ひと昔前、「デザイナーズレストラン」という言葉が流行った頃は、その雰囲気だけをウリにしている店が確かにありました。でも、最近は事情が変わってきているのです。

今回ご紹介する「エピス」の井尻宣孝シェフは、町屋を選んだ理由を「京都で修業してきた僕にとって、ごくごく自然なことだったんです」だと言います。町屋だからいいんじゃない、料理がおいしいことは当然で、そのプラスアルファとして、町屋の持つ懐かしい雰囲気・良さを持っているレストランなのです。


おすすめはカウンター席。カトラリーが引き出しの中に入ってるんです。頭上の欄間は、職人であるシェフのお父様が作られたものだそう。調理場はカウンターと奥があるのですが、「できるだけお客様の近くにいたいから」と、シェフはできるだけカウンターの方で調理されます。


また、店内にある坪庭を抜けると、はなれがあり、12席の座敷も。団体さんなどにはこちらもオススメです。

良いレストランに必要なのは、料理だけではありません。料理という、お客様が向き合う対象と、それを楽しむ空間、そこで楽しく過ごした時間という記憶が揃って、素晴らしいレストランとなるのです。楽しい記憶のためには、築100年以上の町屋という空間はとても有効なツール。

そんな訳で、「シリーズ-趣のある建物」として、料理はもちろん、歴史ある空間も楽しめるレストランを、12月は京都から2軒。1月は大阪・神戸から2軒の合計4軒を紹介したいと思います。

生産者の顔が見える野菜たち

野菜へのこだわりは、お客様への心遣い
野菜へのこだわりは、お客様への心遣い
さて、話を戻して「エピス」です。前述したように築100年以上の町屋ですが、それよりも素晴らしいのは野菜へのこだわり。

使われている野菜は、すべて有機や無農薬栽培。しかし、シェフは「無農薬野菜を使ったレストランも増えてきましたし、それよりも生産者の顔が見える野菜を使いたい」とのことで、メニューを見ても、ことさらに有機や無農薬をうたう文句は入っていません。

料理はお昼が1,995円(税込)、夜が4,095円(税込)のおまかせコースのみ。調理はシェフがほぼ1人でされていますので、これが自然体といえるでしょう。特に、こちらの料理はいろいろな料理を少しずつ、という多皿形式。夜はこの価格にも関わらず10種類ほどの料理が出てくる嬉しさがあります。

次ページから、夜のコースをご紹介します
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