ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

乙女のブドウ踏みだ!メルシャン収穫祭(2ページ目)

シャトー・メルシャンが開催している、毎秋恒例の『ハーベスト・フェスティバル』を見に行った。そこで見たのは「乙女のぶどう踏み」!ブドウを踏んだことがない人はこの週末、山梨に行きたくなるだろう。

執筆者:橋本 伸彦

踏んだブドウはどうなる?

ブドウ踏みのデモンストレーションに使われたブドウは、残念ながら醪(もろみ)としてワイン造りに使われるわけではない。だが通常、程よくつぶれたブドウは白ワインなら絞って果汁だけを発酵させ、赤やロゼなら果汁を固形分と一緒に仕込んで、抽出・発酵させたのちに搾ることになる。ちなみに100年ほど前には、こんなものを使っていた。

格子状の板を大樽のように並べて上から圧搾できるようにした
ひと抱えもあるような大きさの圧搾機

写真のような旧式の圧搾機をバスケット・プレスという。バスケットのように透き間が開いている。ネジを締め上げれば、格子状になった板の透き間から果汁が押し出されてしたたり落ちる。落ちて溜まった果汁は手前の注ぎ口に集まるという訳だ。

現在、機械化されたプレスはメルシャンのワイナリーにあるような水平型そして風船が円筒の中心でふくらんで周囲にブドウを押し付ける方式が多くなっている。やさしく搾れて搾った果汁やワインの酸化を防げる上に、絞りかすを出すのが簡単というのが主な理由。だがバスケットプレスが現役で頑張っているところもあるし、こうして見ると素朴で愛嬌があるものだ。

日本ワインのルーツを知る

パネルの前で解説する上野昇氏
日本のワイン造りの歴史を解説
こうしたワイン造りのルーツが展示されているのが、メルシャンの運営しているワイン資料館だ。建物自体が現存する最古の木造ワイン醸造場(県重要文化財)で、1904年に建設されてから実際に稼働した施設を含めて醸造施設と器具を展示している。

ジェネラル・マネージャーの上野昇氏(写真)によると、地下に並ぶ大樽は最近新調され、一般に出回る白ワインの熟成に使われているそうだ。また、19世紀に造られた、現存最古という日本産ワイン赤白のボトルも展示されている。というわけで、ブドウ踏みだけではなくてワイン造りの勉強にもなる収穫祭であった。

…それはさておき、どうしてもブドウ踏みが見たい?そういう人は、10月中の週末を狙って訪れること。ともあれ、メルシャンだけではなくワイナリー関連のイベントが賑やかになるこの時期、思い切ってワイナリーを尋ねてみよう。お気に入りのワインが見つかるだけでなく、意外な発見があるものだ。

爽やかなワイン、白とロゼのグラス
ワインを試飲するのも忘れずに
メルシャン勝沼ワイナリー 山梨県東山梨郡勝沼町下岩崎1425-1
TEL 0553-44-1011 FAX 0553-44-0428


→Page1 これが、乙女のブドウ踏みだ!
・ Page2 踏んだ後のブドウは、どうなる?


■ 関連ページ
・ シャトー・メルシャン ハーベスト・フェスティバル 2005
・ シャトー・メルシャン ハーベスト・フェスティバル 2006(イベント詳細の最新ページ)
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・ このワインに注目。ニッポンのブドウで勝負!(ガイド記事)
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