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【球界再編】パ・リーグプレーオフ修正案(2ページ目)

2004年から導入され、来季の継続も決まったパ・リーグのプレーオフ制度だが、改良の余地はあるだろう。プレーオフ制度の修正案を考えた。

執筆者:コモエスタ 坂本

韓国プレーオフ制度の問題点

韓国プロ野球は、現在1リーグ8球団の構成である。1982年の設立当時は1リーグ6球団で、1991年に8球団と拡大された。1999年と2000年の2年間のみ2リーグ制が採用されたが、2001年以降は元のスタイルに戻っている。

年間の韓国ナンバーワンを決めるのが韓国シリーズだが、韓国シリーズに至るまでに2位~4位チームによるプレーオフ制度がある。その方式を説明しておこう。

●1 シーズン順位を確定する(現在は、年間133試合制で勝利数による)。
●2 シーズン3位チームと4位チームで、2戦先勝の「準プレーオフ」を行う。
●3 「準プレーオフ」の勝者と2位チームで、3戦先勝の「プレーオフ」を行う。
●4 「プレーオフ」の勝者と1位チームで、4戦先勝の「韓国シリーズ」を行う。
●5 最終的なシーズン順位は、「準プレーオフ」~「韓国シリーズ」の結果に基づく。

韓国のこのプレーオフ制度の問題は、準プレーオフやプレーオフで、上位チームに対する勝利ハンデ等の重みづけが全くないということである。過去3年間、韓国シリーズに進出したチームは順に3位・3位・4位チームと準プレーオフから勝ち上がったチームばかりで、おそらくは望ましいだろう1・2位対決が実現しなかったのだ。また特に2001年はシーズン勝率が5割そこそこ(65勝63敗)斗山ベアーズが、準プレーオフ・プレーオフと勝ち上がり、韓国シリーズでもシーズン81勝52敗の三星ライオンズに勝ち、優勝してしまった。

韓国のプレーオフでは、上位チームのハンデは「下位チームがより多く戦って疲弊すること」だけなのだが、近年は下から勝ち上がってきたチームの勢いの方が疲弊を上回ってしまったことになっている。今後もこの傾向が続くようであれば、プレーオフ規定の見直し論争に発展することは必至だろう。

メジャーリーグのプレーオフ制度

メジャーリーグが現行の2リーグ3地区制になって以降のプレーオフ制度は、各地区の優勝チーム3チームとワイルドカード1チーム(全地区の優勝チーム以外での最高勝利数チーム)の4チームによるトーナメント戦であり、以前から3地区制だったアメリカンフットボールのNFLのスタイルを踏襲したものだ。

この方式では、シーズン勝率が五割そこそこのチームが進出する日本や韓国のプレーオフに比べれば、『逆転現象』は少なくなる。例えばナ・リーグ中地区は西地区よりも平均的な力が上というように、地区間の実力差もあるので、2位チームが他の1位チームと争う際、実力的には遜色がないだろう。しかし、ナ・リーグ西地区2位のフロリダ・マーリンズが最終的にワールドシリーズを制した2003年のような逆転現象は起こり得るので、『シーズンゲーム重視派』には問題視するむきがあるようだ。

NFLのプレーオフ制度

以前は現在のMLBと同じシステムを採用していたが、2002年のエクスパンションでチーム数が両リーグとも16ずつの32チームとなり、2リーグ各4地区に分割された。そしてプレーオフの制度は、両リーグともリーグ優勝4チーム+ワイルドカード2チームの合計6チームによる変則トーナメントで優勝を争う形となった。

ただしこの制度は、NFLの積極的な戦力均衡策と、シーズンゲームの少なさ(1チームがシーズン17試合)というきわどいバランスによって成り立っていることを見逃してはならない。ポストシーズン自体もシーズンの一部であり、NFLの全体を通して興行的には大成功だとは言えるのだが、問題がないというわけではない。

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