数年前から続く世界的な和食ブーム。その勢いはとどまるところを知らず、むしろ加速しています。寿司や天ぷらなどの代表的な料理はもちろん、炉端焼きやラーメン、さらには和菓子まで、その顔ぶれも実に多彩になりました。今回はいま話題の海外の和食店を厳選ピックアップ。私たち日本人が旅先であえて足を運ぶ価値も大いにあるお店ばかりですよ!
海外の最新和食事情
正統な日本料理店で長きにわたって修業を積む外国人シェフも増えている
いまや世界の主要都市で、寿司屋をはじめとする日本食レストランを見かけないことはありません。最近では海外における日本料理への理解はさらに深化しています。ジョエル・ロブション氏やフェラン・アドリア氏といった世界的なシェフたちも日本料理に注目し、彼らが作るフランス料理や創作料理のなかにも、ワサビや柚子などの食材が使われたり、素材の持ち味を活かした和の調理法が織り込まれるようになりました。
また、日本で発見された「うま味」(UMAMI)も世界共通語の仲間入り。うま味とは甘味・酸味・塩味・辛味に次ぐ第5の味といわれ、主に昆布に含まれるグルタミン酸や鰹節のイノシン酸など出汁の味を生み出す成分のこと。これがいま、世界のシェフたちから強い関心を集めています。
海外の和食店のなかには、裏に箸の使い方が書かれた箸袋を置いている店も
一昔前まで海外の日本料理店というと高級店が多かったのですが、最近はラーメンやうどん、居酒屋など大衆的な店も多くなり、それが一層ブームに拍車をかけています。もちろんなかには、いわゆる「なんちゃって日本食」を出す店もありますが、日本と遜色ないレベルの料理を出す店も増えました。また、正しい日本食普及のためにNPOの日本食レストラン海外普及推進機構の活動もスタート。ザガット社と協力して、アメリカの日本食レストランを紹介する冊子『ZAGAT America’s Top Japanese Restaurants 2008』を作成・配布するなど、世界各国で日本食のPRに努めています。
アメリカのポートランドで人気を集める自然食のお弁当カフェ、Chef Naoko(シェフ・ナオコ)
これほど和食が浸透したのはなぜか? 大きな理由はやはりそのヘルシーさにあるといえるでしょう。魚や大豆など多様な食材を使うため、バランスよく栄養が摂れるうえ、油を控えた上品な味付けが、高まる欧米の健康志向と見事にマッチ。
さらに和食の「クール」なイメージも一役買っています。最近はアニメやゲームなどの日本文化も「クール・ジャパン」と称され、熱い支持を受けていますよね。料理に関していえば、盛り付けなど見た目の繊細さに加えて、エキゾチックなムードも好評。海外ではモダンなジャパニーズレストランも多く、日本とはひと味違う魅力を楽しめます。今回は海外で人気の和食レストランから、とくに話題の5店をご紹介しましょう。
<INDEX>