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ツッコミ所満載『キル・ビル』来日会見(4ページ目)

10月25日(土)~公開。奇才、クエンティン・タランティーノ監督が放つ新作は、花嫁の復讐劇。主演のユマ・サーマンと共に6年の歳月をかけストーリーを練ったそうだ。Vol.2は2004年春に公開!

執筆者:南 樹里

キル・ビル Q:劇中で印象に残っている、好きな日本語のセリフは?ユマ・サーマン:(日本語)ニホントウ、ガ、ヒツヨウデス。ルーシー:(日本語)カタナ ハ ツカレシラズ。アンタモ、スコシハ、チカラガ残ってるとイイケドネ。クエンティン・タランティーノ:服部半蔵のおすし屋さんのシーンで、スキンヘッドの大葉健二が言うセリフ(日本語)ナニ、ノム?
Q:なぜ、女性中心のバイオレンス映画に?クエンティン・タランティーノ:もともと自分が大好きな日本や香港の映画には女性のヒーローがいました。西洋では、あまり女性の戦士やヒーローというような女性の復讐者というのは、ありません。逆に言えば日本特有の、例えば、中国では文化的にも闘う女性が描かれていました。僕が子供の頃、そういった映画をたくさん観ました。それでその時に凄いなと。アンジェラ・バウ、梶芽衣子さん、志穂美悦子さん等、映画のヒロインからエネルギーをもらいました。男性の仁義のあり方とは違ってエキサイティングだと思ったので、自分にとって女性の観客にとってすべての方にエキサイティングだと思ったからです。もうひとつ!先週、『キル・ビル』は、アメリカで公開されました。今まで女性は、バイオレンス映画を観に行かないものとされていました。かりに観に来たとしても大概は、ボーイフレンドやご主人などの男性に引っ張られて来るものとされていました。でも、この『キル・ビル』は、観客の40%が女性同士だった。これは非常に嬉しいことだと思っています。Q:アニメパートを作った意図は?影響を受けた作家・作品は?クエンティン・タランティーノ:『キル・ビル』というのは、映画であって何が起こってもいいと思ったんです。だから白黒になったりマカロニウエスタンを描いたりカンフーやサムライといったものを混ぜてもいいので、沢山入れたかった。それでだったらアニメをいれてもいいんじゃないか?と。 絵コンテが描けない分、脚本にショットを細かく書きました。6時間かけてこんな感じといって身振りで説明して彼ら(プロダクションI・G)に絵コンテを描いてもらって自分が望んだとおりのアニメが出来上がりました。急にコメディーになったりといった展開に抵抗がある人もいるかもしれませんが、僕自身が描きたいものを描きたいように製作し、すべては自分次第と思っています。彼らの作品が好きだから依頼したんです。好きな作品は『ブラッド・ザ・ラスト・バンパイア』『マッハGOGOGO』あと『KITE(カイト)』です。Q:殺陣について? おもちゃの刀でお気に入りのポーズを?ここでタランティーノが一言→Make it possible, they can do!と…彼女達ならお安いご用さ!的発言によってユマは、ふざけながらもおもちゃの刀を持って応えてくれることに。千葉:タランティーノから彼女達に殺陣の指導をといわれたんですが、3ヶ月間、毎日練習を重ねました。2人ともすごい熱心で、弱音を上げず、着いてきてくれました。また役柄に合わせて双方の動きを考えているんですが、お互いに取り合うんです。彼女のは、こうだ!とかって。「なぜそこまで、こだわる?」と聞いたら「女優としての財産になるから一つでも多く教えて欲しい」って言うんです。その言葉に感動しました。
キル・ビル ユマ・サーマン:適切な刀では、ないですね。大人のおもちゃ(Sex tool)みたい。(笑)今回の殺陣は女優人生のなかで最も難しい経験でした。(バトンのようにクロスに回しつつ…数回続いて、手から滑ってボトッと落とす)軽すぎてうまくいかないわ。ここで千葉さん「あんな事は、教えていません(笑)」どちらかといえば、お尻をたたく道具っぽいわね。こういうのは、どう?(刀を口に咥えて)(ここで着席して)通常は、出演作の思い出の品とかをもらって帰ることはないんですが、今回は千葉さん演ずる服部半蔵からもらった日本刀をもらって帰りました。今でも大切にしまっています。日本刀は特別なものとなり、いわゆる小道具とは呼びかねるほど特別で、もはや美術品といおうか女優人生の大切な記念品です。あの刀と一体化した感もありますし人生を変えたといっても過言ではないと思います。
ルーシー:ユマが言ったとおりです。これは撮影のときの日本刀とは違います。ただ日本刀を振っていたわけではなく、あの時は色々な思い・感情がありました。タランティーノ監督の一生懸命さ、ユマとのリハーサルの思い、千葉さんの指導による思いがあって、あの気持ちをここで再現することは難しいです。監督とユマが2人で色々と話し合って築き上げ、そのファミリーとして仲間に加えてもらったことは非常に光栄です。もしも観たければ、もう一度チケットを購入してご覧下さい。(ルーシーがタランティーノ監督の頬にキス!) Q:若者へメッセージ?クエンティン・タランティーノ:You don't ask me that question. 個人的に言えるのは、何か一つ得意分野をもつこと。僕の場合の専門知識、誰にも負けない!というのは映画に対する思いです。自身をアメリカ人監督とは思ってなくて地球上の人に向けて作品をつくっているつもりです。今の映画だけでなく10年前、百年前の映画を観てその感情を読み取って欲しい。映画を愛して、映画を観て、映画を通して思いが伝わるとしたら幸せです。
キル・ビル 最後にユマ・サーマン:ランページな復讐劇です。監督は全身全霊をかけて映画製作に取り組んでいます。その献身ぶりは素晴らしいものです、でもその献身さで撮影は非常に苦労しました。この映画は、お金を払って観て損はさせません。鑑賞後は絶対に価値のあるものだったと思っていただけるでしょう。それほどスリリングでファンタスティックな作品です。
ルーシー:『キル・ビル』は、人生を変えました。才能ある人々に囲まれ、長い時間を過ごし、視野も広がりましたし、アニメ部分の導入は最高ですし、雪の庭園のシーンは美術も詩的でした。中国のスタッフが上から雪を降らしていた事を思い出します。千葉さんとの特訓、着物を着ての殺陣の大変さ。千明とのファイトシーン。ジュリーとのリハーサル。それだけ色々な思いがありすぎて、どうしても一言では言い表せません。総てが名誉でして大きな意味を持っています。
『パルプ・フィクション』のポーズをしながら退場…キル・ビル
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