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『永遠のマリア・カラス』【オススメ映画】(2ページ目)

7月19日(土)~公開。晩年のカラスの謎をフランコ・ゼフィレッリ監督が映画化!『8人の女たち』でも独特の雰囲気をかもし出していたファニー・アルダンがその魅力を存分に発揮したのが本作。

執筆者:南 樹里

 演じるというよりマリア・カラスが蘇えり出演してるかのよう。 永遠のマリア・カラス
ゼフィレッリが本作の企画を思い立ったのは、2000年の初夏。「私は、あの声の背後にいた人物が誰であるかを、あれほどの美しさを我々に与えるために彼女がどれだけの代償を払ったのかをいまの人々に知ってほしかった。我々全員が彼女の美しい声を知っているが、マリア・カラスの真髄はいまだに謎のままだ。彼女は天才だった。前世紀最高の声を持っていた。でもなぜ? 何が彼女を特別の存在にしていたのか? 私は、この映画を通して、マリカ・カラスをマリア・カラスたらしめているものを探求したかったのだ」――ゼフィレッリ監督、語る。『カルメン』の映画化の企画に復活のチャンスを見出し、生きる情熱と誇りを取り戻していくカラスの姿をみつめた物語。
アルダンの衣装デザインはシャネルのカール・ラガーフェルド!永遠のマリア・カラス【ファニー・アルダン 役作りの秘密】
「まず彼女の外見を学んでいったの、歩き方や手の動かし方、笑い方といったものをね。フランコはもちろん彼女を熟知しているから、この段階では彼にものすごく助けられたわ。問題は歌だった。私はリップをまねればいいだけだったけれど、彼女の精神的な部分も表現しなければならなかったし、歌詞に対する支配力といったものを表現し、それを説得力あるものにしなければならなかった。もういつ死んでもいいような気持になったわ、女性として歌姫としての彼女の感情の世界に入り込んでいくためならね」映画のなか、圧巻なのは、劇中劇として展開する『カルメン』の場面。世界一有名なこのオペラは、生前のカラスが一度も舞台で演じたことがなかったもの。それが今回、レコーディングとして残されたカラスの全盛期の歌声と、ゼフィレッリの素晴らしい演出、そしてカラス役ファニー・アルダンの渾身の熱演という三者が一体となり華麗に再現されている。
[ザ・ベスト・オブ・マリア・カラス]マリア・カラス
7月24日にも[Callas in Portrait]という最新のベスト盤が発売予定。品番TOEC―55575▼ストーリーパリ16区のジョルジュ・マンデル通り。声を失い、愛するギリシャの大富豪オナシスも亡くし、パリで失意のどん底にいたマリア・カラス(ファニー・アルダン)は、ひっそりと隠遁生活を送っていた。ある日、かつての仕事仲間だったラリー(ジェレミー・アイアンズ)が、アパートを訪ねてくる。“マリア・カラス復活”へのある企画を持参して。最初は耳を貸さなかったマリアも、周囲の説得と期待に応えるかのように「カルメン」の映画化を決意する。過酷な稽古や再起への不安を乗り越え、生きる情熱と以前のプライドを取り戻していくが、果たして彼女の新しい幕は開くのか?▼キャストマリア・カラス:ファニー・アルダンラリー・ケリー:ジェレミー・アイアンズサラ・ケラー:ジョーン・プローライトマイケル:ジェイ・ローダンマルコ:ガブリエル・ガルコ▼スタッフ監督・脚本:フランコ・ゼフィレッリ脚本:マーティン・シャーマン撮影:エンニオ・グァルニエル音楽コンサルタント:ユージーン・コーン衣装:カール・ラガーフェルド(シャネル)製作:ジョヴァンネッラ・ザンノーニ、リカルド・トッツィ日本語版字幕:古田由紀子原題『CALLAS FOREVER』[2002年/イタリア・フランス・イギリス・ルーマニア・スペイン合作/ビスタサイズ/上映時間:108分/SRD]
配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
音楽等は次ページで ⇒ 

フランコ・ゼフィレッリ(監督・脚本)1923年2月12日、イタリアのフィレンツェ生まれ。ルキノ・ヴィスコンティのアシスタントをつとめ、自らもオペラ、演劇、映画の演出を手がけるようになる。オペラの代表作は、ニューヨークのメトロポリタン・オペラで上演された『トスカ』『トゥーランドット』『椿姫』、ヴェローナのアリーナで上演された『カルメン』、ミラノのスカラ座で上演された『アイーダ』『ボエーム』など。カラス主演の作品では、『イタリアのトルコ人』('55)『椿姫』('58)『ルチア』('59)『トスカ』('64)『ノルマ』('64)などの演出を手がけている。映画監督デビューは、'57年の『Camping』。エリザベス・テイラー&リチャード・バートン夫妻が主演した『じゃじゃ馬ならし』('67)で注目を集め、シェイクスピア劇を斬新な青春映画に仕立てた『ロミオとジュリエット』('68)で名声を確立。『チャンプ』('79)『エンドレス・ラブ』('81)などのハリウッド映画でも高い評価を得た。他の代表作に、『ブラザー・サン シスター・ムーン』('72)『ドラヴィアータ・1985/椿姫』('82)『トスカニーニ』('88)『ハムレット』('90)『尼僧の恋/マリアの涙』('93)『ジェイン・エア』('96)『ムッソリーニとお茶を』('98)などがある。
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