男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

多芸多才なジャガー・ルクルト「レベルソ」(2ページ目)

今回の愛用時計は、二つの顔をもつジャガー・ルクルトの「レベルソ・デュオ」。実用的なデュアル・タイム機能とシンプルなデザインが素晴らしい。海外取材の多い私に同行することはや10年という心強い相棒だ。

執筆者:菅原 茂

一本で三通りの使い方ができる

筆者が初めてスイスのバーゼルで開かれる国際的な時計宝飾フェア(現バーゼルワールド)に訪れたのは、1994年のこと。ジャガー・ルクルトの取材で出会った1本の時計に、思わず一目惚れしたのである。それが「レベルソ・デュオ」だ。この腕時計は、表面ばかりでなく、裏面にも文字盤がある画期的なデュアル・タイムだった。ちなみに、裏面にまで時計機能をもたせた初の「レベルソ」である。バーゼルでの取材を終えて、ジュラ山脈のジュウ渓谷にあるジャガー・ルクルト本社を訪れたとき、当時の社長アンリ・ジョン・ベルモン氏は、「極めてシンプルかつ複雑な腕時計ができあがった」と会心の作の完成を喜んでいたが、それは私も同感だった。

ジャガー・ルクルト「レベルソ」裏面
前ページの「レベルソ・デュオ」の裏面。海外ではこちらを日本の時刻に合わせておく。撮影:高橋義太郎
この腕時計は、正直「すごい」と感嘆させられた。「レベルソ」のイメージが、「洒落ている」から「すごい」に変身したのである。まず、1個の機械式ムーブメントによって二つの文字盤の針を動かし、同じ時刻表示も別々の時刻表示も可能にしている点である。これは、海外旅行で非常に役に立つ。表面を旅行先、裏面を日本にセットしておけば、ケースをくるっと反転させるだけでどちらの時刻も一目瞭然なのだ。24時間式のサブ・ダイヤルも添えられており、午前と午後を取り違える心配もない。

別の時間帯を表示する方式には、GMTやワールドタイマーなど、さまざまな機構があるが、これが一番使いやすい。高度な複雑機能を備えるのに、そのような腕時計とは思えない、シンプルな外観も気に入っている。

ジャガー・ルクルト「レベルソ・デュオ」現行品
ジャガー・ルクルト「レベルソ・デュオ」現行品。1990年代前半のファースト・モデルをベースにしているが、時差修正用のプッシャーが、より使いやすいプッシュ・ボタンのタイプに変更されている。ステンレススティール、手巻き、90万3000円
こうした利便性だけでも、1本で2本分トクした気分になる。さらにもう一つ、こんなワザありの使い方ができる。二つの文字盤を同じ時刻にセットしておき、たとえばデイタイムのビジネスでは表側を使い、夜のパ-ティなどでは裏側を使う。その日の服装や気分で、腕時計の雰囲気を変えるのも楽しい。表側の文字盤はシルバー、裏面の文字盤はチャコール・グレーと色も別々なら、インデックスや針の形などもまったく異なるデザインになっており、まるで違う腕時計に着け替えた感覚になるのだ。手首に着けたままで、素早く変身できるのも、ふつうの腕時計には真似のできない「レベルソ」ならではの特技である。

最後に付け加えたいのが、機械式ムーブメントそのものの魅力。名門ジャガー・ルクルトが設計、製造する高級オリジナル・ムーブメントが、時計好きにはたまらない。手放させない愛用品であるのも、おわかりいただけただろう。

【ジャガー・ルクルトの問い合わせ先】
ジャガー・ルクルト
TEL03-3288-6370
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