幼稚園/幼稚園関連情報

被災者の体験から園の震災対策を考える 1(2ページ目)

阪神大震災から12年の歳月が過ぎ、震災の記憶は徐々に薄れてきています。ガイドはあの震災の被災者の1人ですが、被災者だからこそ伝えられる震災対策を今回はご紹介します。

猪熊 弘子

執筆者:猪熊 弘子

子育てガイド

近隣の防災拠点にもなる園

さて、幼稚園・保育園は、小中学校と同じく、子どもを通じて地域のコミュニティの中心になる場所でもあります。阪神大震災の時にも、小中学校はもちろん、幼稚園、保育園が地域の人々の避難所になりました。阪神大震災の時にはあまりにも被災した人の数が多かったこともあり、地域であらかじめ指定された「避難所」に全員が入れませんでした。

そこで、被災した人たちは、「避難所」として指定されていなくても、とりあえず家から近い公共施設、あるいは公共に近い施設に身を寄せるようなことがありました。幼稚園や保育園もそういった場所のひとつ。いざという時には、避難所としての役割も果たさなければならないことがある、ということも常に考えておかなければならないでしょう。

現在、幼稚園や保育園には、普段から園児用の水や簡単な食糧の備蓄はしてあるのが普通ですが、余裕があれば、それ以外に地域の住民のための備蓄も考えておくべきだと思います。いざというときには大勢の人で必要なものを分け合わなければならないのです。「これは子どもたちのものだから」と、分けておくようなことは、人道的な面から考えてなかなかできないからです。地域の人々とも普段からよく話し合って、常に「開かれた園」であることが求められる時代です。

また、園の給食設備は、万が一の時には重要な「炊き出し」の拠点にもなります。最近では民営化の影響で、公立でも給食施設だけは別の業者が扱っているといった園や、外部搬入をしている園(幼稚園など)もありますが、いざというときのことを考えると施設内で調理ができる人を確保しておいた方がいいはず。保育園の中には、万が一の時には、調理担当の職員さんも含めて子どもの避難をさせることになっているところもあります。給食施設を民営化している園では、特に危機管理の部分がどうなっているのかについて確認しておくことが必要でしょう。

次回に続く)



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