年金/遺族年金の仕組み

知っておきたい!労災保険からの遺族年金(2ページ目)

一家の大黒柱に万が一のことがあった際に支給される「遺族年金」。国民年金や厚生年金の他に、労災保険から支給されるケースがあります。労災保険から支給される遺族年金について、要件や支給額などを確認してみましょう。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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労災保険の遺族年金の中身とは? 

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労災保険を含め、遺族年金を受け取れる遺族は、死亡した人に「生計を維持されていたこと」が絶対要件となる

労災保険から支給される遺族年金は厚生年金や国民年金から支給される遺族年金と比べても、手厚くなっています。具体的に中身を見ていきましょう。

●遺族補償年金の遺族の範囲

国民年金を受け取れる遺族は「子のある妻」または「子」と非常に限定されています。厚生年金については、「配偶者、子、父母、孫、祖父母」となります。

一方、労災保険の支給対象となる遺族は、「配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(妻以外は年齢制限等要件有り)」とさらに広くなります。

●遺族補償年金の受給額
遺族補償年金の受給額は、遺族の数(受給権者と生計を同じくする受給権者の数)によって、以下の通りとなります。

・遺族が1人 給付基礎日額の153日分(一定の妻のみ175日分の場合有り)
・遺族が2人 給付基礎日額の201日分
・遺族が3人 給付基礎日額の223日分
・遺族が4人以上 給付基礎日額の245日分

給付基礎日額とは、簡単に言うと給料の1日分ということです。ですから、月給30万円の方の場合、給付基礎日額は1万円ということになります。

例えば、死亡した夫の月収が30万円で、残された遺族が生計を維持された妻と18才未満の子ども2人だとします。妻が優先順位トップで受給権者(年金を受け取る人)となり、子ども2人を含めると遺族が3人ですから、遺族補償年金の受給額は「1万円×223日分=223万円」となります。

●一時金の支給
仮に、妻と子ども2人が、死亡した夫に生計を維持されていなかった場合、年金の対象となる遺族ではないことになります。年金の対象となる遺族がいない場合には、一時金が支給されることになります。

その額は、給付基礎日額×1000日分。上記の例だと、「1万円×1000日分=1000万円」となります。一時金とはいえ、かなりの額ですよね。年金だけでなく、一時金を受け取れる遺族の範囲は非常に広く、支給される額もかなりの高額となります。

国民年金にも「死亡一時金」という一時金はありますが、額は最高でも32万円(平成26年度)ですから、かなり手厚いことがわかります。
 
まだある!手厚い遺族補償年金の中身については次ページで。
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