労災保険の遺族年金の中身とは?
労災保険を含め、遺族年金を受け取れる遺族は、死亡した人に「生計を維持されていたこと」が絶対要件となる
●遺族補償年金の遺族の範囲
国民年金を受け取れる遺族は「子のある妻」または「子」と非常に限定されています。厚生年金については、「配偶者、子、父母、孫、祖父母」となります。
一方、労災保険の支給対象となる遺族は、「配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(妻以外は年齢制限等要件有り)」とさらに広くなります。
●遺族補償年金の受給額
遺族補償年金の受給額は、遺族の数(受給権者と生計を同じくする受給権者の数)によって、以下の通りとなります。
・遺族が1人 給付基礎日額の153日分(一定の妻のみ175日分の場合有り)
・遺族が2人 給付基礎日額の201日分
・遺族が3人 給付基礎日額の223日分
・遺族が4人以上 給付基礎日額の245日分
給付基礎日額とは、簡単に言うと給料の1日分ということです。ですから、月給30万円の方の場合、給付基礎日額は1万円ということになります。
例えば、死亡した夫の月収が30万円で、残された遺族が生計を維持された妻と18才未満の子ども2人だとします。妻が優先順位トップで受給権者(年金を受け取る人)となり、子ども2人を含めると遺族が3人ですから、遺族補償年金の受給額は「1万円×223日分=223万円」となります。
●一時金の支給
仮に、妻と子ども2人が、死亡した夫に生計を維持されていなかった場合、年金の対象となる遺族ではないことになります。年金の対象となる遺族がいない場合には、一時金が支給されることになります。
その額は、給付基礎日額×1000日分。上記の例だと、「1万円×1000日分=1000万円」となります。一時金とはいえ、かなりの額ですよね。年金だけでなく、一時金を受け取れる遺族の範囲は非常に広く、支給される額もかなりの高額となります。
国民年金にも「死亡一時金」という一時金はありますが、額は最高でも32万円(平成26年度)ですから、かなり手厚いことがわかります。
まだある!手厚い遺族補償年金の中身については次ページで。