年金/遺族年金の仕組み

遺族年金も公務員と会社員に差があった

年金の官民格差第3弾。会社員の遺族年金である遺族厚生年金と比べ、公務員等の遺族年金である遺族共済年金は、さまざまな点でお得になっています。遺族年金の官民格差を検証します。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

  • Comment Page Icon

遺族年金にも「官民格差」

画像の代替テキスト
遺族共済年金の遺族の父母、祖父母にはさらに「養父母、実父母」で順位が分かれている
不況になると就職先として、俄然人気が高まるのが「公務員」。不況の時期には好不況に影響されない安定感と、様々な手厚い保障に魅力が集まるのでしょうか。

老後の保障(要は老齢年金)についても「官民(民=厚生年金)格差」があることは、以前の記事でも書かせていただきました。年金の世界の官民格差は老後の保障(老齢年金)だけではなく遺族の保障(遺族年金)にも見られます。

そこで、今回は「遺族年金」の官民格差について検証したいと思います。

より広く、深い遺族の範囲

さて、第1の格差は遺族年金を受け取れる遺族の範囲です。まずは民間企業の遺族年金である遺族厚生年金の遺族の範囲を見てみましょう。
  • 第1順位 配偶者又は子
  • 第2順位 父母(55歳以上に限る)
  • 第3順位 孫
  • 第4順位 祖父母(55歳以上に限る)
※子、孫については18歳年度末までか、一定の障害の状態にある場合は20歳まで

このうちの最先順位者にのみ支給されることになります。一方、公務員の遺族年金である遺族共済年金の遺族の範囲は
  • 第1順位 配偶者又は子
  • 第2順位 父母
  • 第3順位 孫
  • 第4順位 祖父母
同じくこのうちの最先順位者に支給されることになります。

いかがですか? パッと見たところ、特に差がないように見えますが、実は大きな差があります。

■格差その1 : 父母、祖父母の年齢制限がないこと
遺族厚生年金の父母、祖父母については、死亡当時55歳以上でなければ受給権はありませんが、遺族共済年金にはこの年齢制限がなく受給権が発生します。

格差その2以降は、次ページで検証 >>>

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます