相続・相続税/相続・相続税関連情報

2006年度(平成18年度)税制改正発表!

本日、与党税制改正大綱(たいこう)が発表されました。この大綱は、2006年3月に国会を通過する予定です。相続税・贈与税、所得税・住民税、法人税などの改正がありました。税金ごとに確認していきましょう。

執筆者:天野 隆

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文章:天野 隆(All About「相続・相続税」旧ガイド)

打合せ
相続税・贈与税の改正のポイントは?
本日、与党税制改正大綱(たいこう)が発表されました。この大綱は、2006年3月に国会を通過する予定です(施行までの流れはこちらから)。相続税・贈与税、所得税・住民税、法人税などの改正がありました。税金ごとに確認していきましょう。

相続税・贈与税

相続時精算課税制度の住宅取得資金の特例の2年延長
相続時精算課税の基礎控除(2,500万円)に住宅の取得等をすると上乗せされる1,000万円部分の特例の期間延長(05年12月31日に廃止の予定でした。)。一方、暦年課税贈与税(基礎控除110万円)の住宅取得資金贈与(5分5乗方式)は、予定通り廃止になりました。
参考:暦年贈与と相続時精算贈与 どっちが得?住宅取得資金贈与

物納制度の改正(2006年4月1日以後の相続)
●物納不適格財産の明確化
1.抵当権が設定されている不動産、境界が不明確な土地等の一定の財産を物納不適格財産(管理又は処分をするのに不適格な財産)として定め、その範囲を明確化する。
2.市街化調整区域内の土地、接道条件を充足していない土地(いわゆる無道路地)等の一定の財産を物納劣後財産(他に物納適格財産が無い場合に限り物納を認める財産)として定め、その範囲の明確化を図る
3.物納申請された財産が物納不適格財産に該当する場合、又は物納劣後財産に該当する場合であって他に物納適格財産を有するときは、税務署長は当該物納を却下する。この場合において、申請者は、当該却下の日から20日以内に、一度に限り物納の再申請をすることができることとする。

これまで不明確だった物納不適格財産を法令で限定・明確化します。取引相場のない株式については譲渡制限株式のみが物納不適格とされ、それ以外の株式の物納は、業績等を問わずに認めることになりました。但し、売却時に必要となる手続書類を提出する旨の確約は必要となります。これによって取引相場のない株式の物納への道は広くなりそうです。譲渡制限は簡単に解除できますので不適格な株式は減ることになりそうです。

●物納申請の許可に係る審査期間を法で定める
物納申請の許可又は却下を物納申請期限から3ヶ月以内に行う。物納物件が多数となるなど調査に相当な期間要するときは6ヶ月以内。積雪など特別な事情によるものは9ヶ月以内となりました。

今までのように2年も3年もかかるということは無くなります。早い決着は納税者にとってはうれしいものです。一方準備書面の提出は厳しくなりそうです。私達相続の専門家も緊張と対応への柔軟性が問われる改正になりました。

●延納期間中の物納選択
相続税を延納中の者が、資力の状況の変化により延納による納税が困難となった場合には、申告期限から10年以内に限り、延納の残額を限度として、物納を選択することが出来る制度を創設する。(この場合における物納財産の収納価格は、その物納申請時の価格とする)

今までは延納から物納への変化は一切認められていませんでした。売る決断がつかない方には今回物納を選択する道が開かれました。収納価額は物納申請時の価額となります。相続が開始された時の価額ではなく、今の価額になるのは仕方のないことでしょう。

も少し詳しく知りたい方に「平成18年度(2006年度)連立与党税制改正大綱」はこちらから

その他、相続関連


公示制度の廃止(2006年4月1日から)
所得税(長者番付)、相続税・贈与税、法人税などが対象。05年4月に施行された個人情報保護法により、個人情報の保護に重きを置くようになった。長者番付けは、もう見られない。

無申告加算税の税率の引き上げ(2007年1月1日から)
現行の15%から、納付すべき税額が50万円を超える部分ついて20%とする。

登録免許税の特例措置の縮小(2006年4月1日から)
特例措置の廃止(06年3月31日)により、遺贈・贈与では2%。相続、保存登記では0.4%となる。但し、土地の売買による所有権の移転登記は1%を継続(2008年3月31日まで)。

相続した土地・建物の名義変更をする際の登録免許税が、06年4月以後では、0.2%から0.4%と2倍になってしまいます。名義変更できる方は、06年3月31日までにやっておきましょう。

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