損害保険/損害保険関連情報

新種の優遇税制、地震保険料控除とは?

地震保険の加入件数は増えているようですが、加入率はまだまだ低いようです。この加入率を引き上げるためにも、平成18年度税制改正によって地震保険料控除が導入されました。簡単にポイントを解説します。

執筆者:菱田 雅生

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地震保険の契約件数が1000万件を突破

地震保険の加入件数は増加中
筆者は阪神淡路大震災が起きた当時(平成7年)、兵庫県尼崎市に住んでいました。そのときの住まい(独身寮)付近の震度は6だったと記憶していますが、とても怖かったのを覚えています。

その後も、平成12年の鳥取県西武地震や平成15年の宮城県北部を震源とする地震、平成16年の新潟県中越地震など、大きな地震が頻繁に起きています。内閣府のデータによれば、平成6年から平成15年までの10年間に、マグニチュード6以上の地震は世界で960回起きているそうですが、そのうちの4分の1に近い220回は日本で起きているとのこと。昔から言われていることですが、まさに日本は地震大国なのです。

近年では、地震を原因とする火災などによる損害は、通常の火災保険では補償されないということが広く認知された影響もあってか、地震保険の加入者数は着実に増加しているようです。損保協会の資料によると、阪神淡路大震災が起きた直後の平成7年3月末時点の地震保険契約件数は約397万件だったのが、平成18年3月末には約1024万件と、ついに1000万件を超えました。

加入率はまだまだ低い?

一方、平成17年3月末時点の加入率を見てみると、一番高い愛知県でも28.7%にとどまっています。宮城県、東京都、神奈川県、千葉県、静岡県など、いわゆる地震が多いとされる地域は、いずれも20%は超えていますが、加入率が高いといえるのかは疑問です。一番低い長崎県の加入率は、たった5.9%です。

ただし、この加入率は契約件数を世帯数で割って計算したものなので、賃貸住まいの割合が多い地域は、持ち家の人の加入率だけを考えれば、少し数値は高くなると思われます。たとえば、平成17年3月末の東京都の加入率は26%でしたが、東京都の持ち家比率約44%(平成12年国勢調査より)を考慮すると、東京都の持ち家の人の加入率は6割近いことがわかります。

とはいえ、大地震の起こる危険性が叫ばれている現状からすると、まだまだ加入率は低いといえるのではないでしょうか。この加入率を高めるためのひとつの政策として、地震保険料控除が導入されることになりました。


地震保険料の新しい割引制度?平成18年度税制改正で導入が決まった「地震保険料控除」について次ページで解説します!
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