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「これが官民格差だ!」年金一元化は本当に可能??!(4ページ目)

政府与党が一元化をめざす厚生年金と共済年金。同じように基礎年金の上乗せの年金を支給しているとはいえ、その中身はかなり異なっている。相違点等を解説したコラム。

執筆者:All About 編集部

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遺族年金は転給する

転給により安心度は増すけれど…
遺族共済年金をもらっていた妻が再婚したら、子が成人したら…両親にも遺族年金が支給される共済年金
両親と妻子(8歳)の計5人でいっしょに暮らしていた民間企業に勤務するサラリーマンが亡くなったとしましょう。

両親も妻も年収850万円未満であったら、亡くなったサラリーマンとの間には生計維持関係があると認められますから、遺族厚生年金をもらえる遺族になります。

ところが、遺族には順番があります。
先の順位の人がいれば、次順位以下の遺族は将来においても遺族厚生年金を受給することはありません。

●遺族の順位

  1. 配偶者と子
  2. 父母
  3. 祖父母

しかし、共済組合の場合は、先順位者が失権した場合には次順位者に支給される転給制度があるのです。

例えば妻が再婚したりして遺族共済年金の受給する権利を失った場合には、次順位の父母がその年金を受け継いで受給することができます。
また、遺族共済年金を受給していた子が18歳年度末を迎える等で失権すれば、翌月からは父母がその年金を受給することもあるわけです。

改めて言うまでもなく、完全に一元化をめざす厚生年金と共済年金だとすると、これらの制度は見直しが必要ということになります。
 

国民年金滞納していても、障害年金や遺族年金はもらえる!?

要件は、ゆるい方がいいね
共済年金が厚生年金と歩調をそろえるには、まだまだ道は厳しい
年金の種類は3つあります。
老齢や退職年金、障害年金と遺族年金です。年金を受給するためには、それぞれ要件があり、それらの受給資格を満たさなければなりません。

例えば国民年金や厚生年金では、障害年金や遺族年金の受給資格を判断するときに、過去の保険料をきちんと納付してきたかどうかが要件となり確認することになります。
だから、直近まで国民年金の保険料を滞納したりしている人であれば、そのときに厚生年金の保険料を払っていたとしても、保険料納付要件を満たすことができず、障害厚生年金や遺族厚生年金が受取れなかったりすることがあります。
払っていたのに年金はもらえない…!という事態がおこるわけです。

ところが共済年金では、障害年金や遺族年金には保険料納付要件がありません。
これは極端な話、国民年金の保険料を滞納してきた人であっても、共済年金に加入したときから、万一の場合には障害共済年金や遺族共済年金の受給資格があることになるのです。

以上、年金制度上存在している官民格差について解説してみました。
このように多くの格差が存在している以上、国民年金以外の年金制度が一つになることも大変困難な道だといわざるを得ません。

しかし、もうすでに多くの国民が制度の再構築以外に年金制度を維持する道がないことを知っているはずです。一日も早い英断と実行力に期待したいものですよね!

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