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介護の準備、いくら貯めておいた方がいい?

「介護」はどの家庭でも起こりえる問題です。今は元気な両親や自分達も、万が一介護が必要になったとき、どんなサポートがあり、自己負担はどれくらいなのか知っておきたいですね。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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誰でも必要になるとは限らないけれど、介護はある日突然やってきます。
「介護」はどの家庭でも起こりえる問題です。今は元気な両親や自分達も、万が一介護が必要になったとき、どんなサポートがあり、自己負担はどれくらいなのか知っておきたいですね。

85歳以上の要介護認定者は56.6%!


厚生労働省の調べによれば、介護が必要になった主な原因は、「脳血管疾患」が25.7%と最も多く、次いで「高齢による衰弱」が16.3%、「骨折、転倒」が10.8%となっています。誰もが元気に長生き出来ることを望みますが、年をとればある日突然、脳こうそく等の病に倒れたり、足腰が弱り身の回りのことが出来なくなることも考えておかなくてはいけません。

■要介護認定って?
介護サービスを受けるには、市区町村の介護認定審査会から、要介護認定を受ける必要があります。本人か家族が市区町村の窓口に申請し、自宅を調査員が訪れ調査します。介護を必要とするかどうか、必要とするなら「要支援1~2」「要介護1~5」の7段階に分けられます。

年齢別の要介護認定者の発生率を見てみましょう。
介護
要介護、要支援認定者発生率2005年4月 生命保険文化センター調べ



要介護認定者は、65歳~69歳ではたった3%ですが、80歳~84歳でおよそ30%、85歳を過ぎると56.6%になります。平均寿命が伸びれば、長生きできるかもしれませんが、介護が必要になるリスクもかなり高くなることが分かります。

では、要介護認定を受けたら、公的介護保険制度ではどんなサポートが受けられるのでしょう?

公的介護保険


介護は自宅で介護を受ける「在宅介護」と、施設に入所する「施設介護」があります。いずれも公的介護保険のサービスを受ける事ができます。

■在宅サービス
・自宅で受けるサービス
 ホームヘルパーが入浴や排せつ、調理や洗濯等を手伝う「訪問介護」。浴槽を積んだ巡回車が訪問する「訪問入浴介護」。リハビリ専門家の「訪問リハビリテーション」、医師や歯科医師による「居宅医療管理指導」などがあります。

・施設等を利用するサービス
 日帰り介護施設「デイサービスセンター」、老人保健施設「デイケア」、特別養護老人ホームの「短期入所」などが利用できます。

・介護環境を整えるサービス
 車いすや特殊寝台など「福祉用品のレンタル」。入浴や排せつ用具の購入費が10万円、手すり取り付け等のリフォーム費用が20万円を限度に支給されます。

「要支援1」から「要介護5」までの介護状態に応じて、1か月あたり4万9700円から35万8300円まで支給される限度額が決まっています。利用者は、自分が受けたサービス費用の1割が自己負担になります。支給限度額を超えるサービスを利用した場合や、公的介護保険に含まれないサービスを受けた場合は、その全額が自己負担となります。

■施設サービス
次の3つの施設で、サービスが受けられます。
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
 常に介護が必要で、在宅での生活が困難な人が介護、機能訓練を受ける施設。

・介護老人保健施設
 積極的治療より、看護やリハビリを中心とした医療ケアと生活サービスを受ける施設。

・介護療養型医療施設
 長期の治療が必要な人がサービスを受けるための医療施設。

「要支援1」、「要支援2」の人は施設サービスを受けられません。希望者が多い介護老人福祉施設の入所は、在宅介護が難しい人が優先されるため、「要介護5」の人でも希望通りに入所できないことがあります。

施設サービス費は、施設と要介護度、部屋の種類によって異なります。この施設サービス費の1割と、施設の居住費、食費の全額を負担します。

介護が必要になっても、ひと昔に比べ「在宅」「施設」共に公的なサポートの手は差し伸べられます。しかし、そのサービスを受けるのに必要なお金、一体いくらかかるのでしょう?次のページでは、1か月の自己負担額をモデルケースでご紹介します。

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