遺言通りにならない?遺留分と遺言の明示

遺留分とは、遺言自由の原則を認めつつ、これを制約する制度です。遺言でも侵せない部分です。遺留分の計算の基礎となる財産の範囲と遺言の明示のタイミングについてまとめてみました。

掲載日:2006年09月20日

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文章:天野 隆(All About「相続・相続税」旧ガイド)


遺留分とは?

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遺留分とは?
遺言自由の原則を認めつつ、これを制約する制度として遺留分(民法1028条)というものがあります。遺言でも侵せない部分です。例えば、遺言で「一人にすべて」と言う時に他の相続人は遺留分権が生じ、遺留分減殺(げんさい)請求権の行使が出来ます。
■遺留分の権利を主張できる人:兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子、親)
■遺留分の割合:直系尊属のみが相続人である場合3分の1、前述以外の場合(普通これに該当)2分の1
相続財産が確定すると、遺留分の計算が出来ます。実務はこの確定に時間がかかり、それぞれの見解が異なります。

遺留分の算定の基礎となる財産は?

遺留分の算定の基礎となる財産は(民法1029条1項)?
1.相続開始の時において有した財産の価額に
2.その贈与した財産の価額を加え
3.その中から債務を全額控除して
これを算定します。
※評価時期は相続開始時点を基準に算定するというのが通説です。計算時の時価と言う説も存在します。

贈与をした財産はどこまで加算?

贈与をした財産はどこまで加算?
1.相続開始の前の1年間にしたものに限り算入する。
2.当事者双方が遺留分の権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前にしたものでも算入する。(民法1030条)
3.生前贈与が相続人に対してなされ、それが特別受益とされる場合は、特別受益者の相続分に関する民法903条が遺留分に重用されている結果(1044条)、1年以上のものでもすべて加算※されます。
※最高裁はこんな判断をしています。(最高裁判決1998年3月24日)その贈与が相続開始より相当以前にされており、その後の時の経過に伴う社会的事情や相続人などの関係者の個人的事情の変化を考慮すると、減殺請求を認めることが当該相続人に酷である、といった特段の事情のない限り、遺留分請求の対象となるとしています。以上の結果、原則として特別受益は遺留分の計算に加算されることになります。

この記事を執筆したガイド

清水 真一郎
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