マーケティング/マーケティング事例

下取りサービスで売上アップの“からくり”

買取や下取など不用品を引き取るサービスが増加している。顧客にとっては不用品を処分できる嬉しいサービスだが、企業にとっても売上増に繋がるというメリットがある。今回は不用品引取サービスのブームに迫る!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

【目次】
1.人気の高まる不用品買取サービス
2.下取りサービスで大きく売上を伸ばした小田急百貨店
3.下取りで売上が上がる“からくり”
4.“下取りマーケティング”で成功しやすい企業とは?

1.人気の高まる不用品買取サービス

今、不用品を引取るサービスの人気が高まっている!
家庭の不用品を買い取るサービスが人気を博している。

あるリサイクルショップでは、昨年後半からの急速な景気の冷え込みの影響でここ最近は新規の利用客が増え始め、商品の買い取りが2割ほど増えていると言う。

家庭に眠る不用品を買い取ってもらい少しでも生活の足しにしようと目論む売り手と、給与の削減や将来的な不安から同じ品質のものであれば少しでも安く手に入れて生活防衛に努めたいという買い手を上手にマッチングできているところがブームの理由だ。

実際にモノが溢れた日本の家庭には、購入したが全く使用していないモノが数多く眠っているところから、資源の有効活用という観点からもリサイクル商品のブームは歓迎すべきことと言える。

通常、リサイクルショップを利用する場合、売り手は家庭に眠る不用品を店舗に持ち込んで査定してもらうことになるが、最近では様々な方法で売り手の利便性を高めるための買い取り方法を提案する企業が増えている。

たとえば、『ブランディア』が提供するサービスでは、売り手はインターネットで無料宅配キットを注文すれば、ダンボールや梱包材、着払い伝票、買取シートなどの書類一式が宅配便で届く。そして、買い取ってもらいたい商品を段ボールに詰め、発送すると数日後に買取金額がメール、もしくはFAXで送られてくる。この金額に納得しなければ、品物を返してもらえるし、納得すれば即座に指定した銀行口座に代金が入金されるという仕組みだ。

わざわざ店舗に出向く必要もなく、近くにリサイクルショップがなくても利用できるということで非常に便利なサービスと利用者には好評だ。

また他社のサービスでは、査定担当者が直接自宅を訪問し、使用しなくなったブランド品など高価な品物をまとめて査定し、買い取るというサービスも人気を博している。

それでは、次ページで不用品引取サービスをマーケティング戦略の中に組み込んで成功した事例を紹介していくことにしよう。

>2.下取りサービスで大きく売上を伸ばした小田急百貨店
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