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経常収支・経常黒字とは何か わかりやすく解説!

「経常収支」「経常黒字」ニュースで耳にするけれど、説明できない…なんとなく分かるけれど、ちゃんと知っておきたい…コッソリ学んで、日ごろの会話にさりげなく使ってみると、あなたのセンスがキラリと光るかも。

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
ニュースで耳にするけれど、説明できないあの言葉。なんとなく分かるけれど、ちゃんと知っておきたいあの言葉。コッソリ学んで、日ごろの会話にさりげなく使ってみると、あなたのセンスがキラリと光るかも。

「社会人の常識!? いまさら聞けない経済用語シリーズ」では、そんな言葉の解説をお届けします。第1回は経常黒字です。

経常黒字っていうけど、不景気なのに「黒字」?

時々ニュースで聞くこのことば。経常黒字が増えたとか言っているけど、景気が悪いのに黒字っておかしくない? いったいド~ユ~コト~?

「お休みには海外旅行に行こう」と思っているあなた!経常黒字とは何なのか? 海外に行くには為替相場も気になるでしょう。この経常黒字、為替相場にも影響ありそうですよ。ここでひとつ、覚えて下さいね。

経常収支は4つの部門がある

■ 貿易収支……モノの輸出入の集計
■ サービス収支……海外旅行先で買い物、食事したりが、日本のサービス収支の赤字に計上
■ 所得収支……企業が海外の工場建設などや海外証券投資で得た収益から、日本国内で外国企業などが得た利益や報酬などを引いたもの
■ 経常移転収支……開発途上国への経済援助や国際機関への拠出金など

これらのトータルが黒字というのは、輸入より輸出が多く、支払いより受け取りの額が大かったということです。

「貿易黒字」は「輸出」-「輸入」

2003年度上半期の経常黒字、過去最高 〔財務省11月12日発表〕……ということは、2003年度上半期には、輸出額から輸入額を引いた残りが「過去最高」ということ。それがどうかしたの?とお思いの方に、これによる影響を解説していきましょう。日本で作ったものを、日本人が買わないと貿易黒字が増えるのです。


「民間の貯蓄超過」+「政府の貯蓄超過」=「国全体の貯蓄超過」=「貿易黒字」


ここでは分かりやすく、「政府の貯蓄超過」が変わらないと仮定して説明します。つまり、その国が貯蓄超過だと、貿易黒字が発生するということになります。


「貯蓄超過」ということは、「稼いだ所得のうちお金を使わないで、貯めておくお金が多い」生産(=所得)するよりも消費が少ないということです。

生産した余りはどこへ?


その製品を、外国が買ってくれている
のが現状です。
日本人は、不景気でなかなか消費しません。それを、外国がそれを買ってくれています。


「日本の生産のうち外国の消費」=「日本の生産」-「日本の消費」=「国全体の貯蓄超過」


「国全体の貯蓄超過」=「貿易黒字」

貿易黒字が発生するのは、その国がお金を使わないで、貯めてばっかりいて、代わりに外国に買わせているからだということになりますね。

ではそうすると、何が起こるか?次のページでお教えしましょう。
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