最近の貿易摩擦のターゲットは中国に
もっとも、このごろの貿易黒字は、アメリカ向けが減ってきていて、中国中心のアジア向けが増えてきています。アジア向けは、輸入も増えているのですが、それ以上に、輸出が増えています。アメリカも、日本製品を買うよりも、中国製品を買うようになってきました。輸入品を買わないのも、海外旅行が減ったのも原因
また、国内が不景気で、日本人が輸入品を買わなくなり、輸入が輸出の伸び以上の比率で落ち込むと、「輸出」-「輸入」=「貿易黒字」は増えますね。また、今回の黒字急増の主役は、「サービス収支」に含まれる、海外旅行者が海外で消費するのが減ったからです。
海外旅行者が現地でお金を使うことが、「輸入」と同じになるからです。
貿易黒字が円高をもたらすワケ
さて、話を「輸出」と「輸入」に戻しましょう。製品を輸出した日本企業は、外国のお金を手にしました。でも、そのお金は、日本に持ち帰って従業員に給料として支払ったり、日本で借りたお金を返すために使いたいのです。
そのために、手にした外国のお金を日本の円に替えます。円を買うわけです。
円を買う=円に対するニーズが高い=円の需要がある……どういう表現が、みなさんにはピンと来るでしょうか?円を買うということは、為替市場は円高の方向に動くということです。
もちろん、為替の動きは、貿易収支だけの要因で動くものではありません。世界各国の経済状態、金利や株式などマーケットの動向、政治、戦争、その国の信頼度、などが為替相場を動かす要因です。